筆記試験で合格したけど、中小企業診断士養成課程も実は気になる
これから行くけど、どんな研修なのかなぁ?
卒業してから、結構忘れてるから思い出したいなぁ
と、感じている中小企業診断士受験生や中小企業診断士の方、必見!
養成課程を得て、中小企業診断士として活動している私が、当時学んだ内容について、解説していきます。この記事を読んで頂ければ、中小企業診断士養成課程でどのようなことを学んでいるかを追体験できること間違いなし!
おはようございます!中小企業診断士のグレート☆セバスチャンと申します。私のプロフィールは、こちらへ。
重要
私の養成課程期間中の体験談を基にお伝えしていきますが、企業の特定に結び付く情報や、各研修の詳細をそのまま使用することはありません。あくまで学んだことを、私の視点から解釈し、再構成している点についてご了承ください。
学びの姿勢の考察②
学びの姿勢の考察②
ロックとマリアは休憩を終え、教室へ戻る。ここからは、前半戦のグループ討議の内容である【学びを最大化するポイント】について、講師が解説をしていくようだ。
養成課程で必要となる基本的な【学びを最大化するポイント】は以下である。
- グループ討議力
- 1次試験の知識力
- プレゼンテーション力
- 段取り力
- PCスキル
大前提
今回の【学びを最大化するポイント】の5つについて解説する前に、前提として、最も重要なポイントについて解説します。それが、以下になります。
心理的安全性
養成課程では、自由闊達な意見を、年齢差や立場の違いを超えた対話をとおしていくことで、中小企業診断士としての基本能力が身についていいきます。そのためには、【心理的な安全性】が担保されてなければなりません。
なお、私が受講した36期では、この説明についてなく、事務局より期中で説明がありました。正直、一番最初に説明すべき重要な点だと、今では考察しています。
対人関係において、リスクある行動をとったとしても、チーム内が安全であるという認識が共有されている状態。
養成課程に具体的に当てはめるのであれば、主に以下の内容です。
- 目的の共有がされている
- 目標への達成意識が高い
- 自説の積極的な展開
- 異なる意見の尊重
- 学習意欲が高い
「○○さん、何か意見はある?」
「○○については、○○という理由から、○○だと考えます。」
「・・・会社の方針は○○だから、○○でいこう!」
「・・・(結局、上司が決めるんなら、意見聞かないでよ)」
というようなやり取りが、会社では日常茶飯事行われているのではないでしょうか?
ここには日本人独特の空気を読む性格も重なって、会議では意見が少ないことがほとんど。さらには、根回しの文化によって、答えが決まっていることが多いなんてことも。
しかし、養成課程にこれらの【空気を読む】や【根回し】は必要ありません。お互いの学習意欲を高く持ち、同じ目的・目標のため、他者を尊重しつつ、自説を展開していく環境を作ることが、養成課程で最も重要なことの1つとなります。
年の差や立場の違いは関係ない!
なぁなぁの関係ではないのね!
養成課程では、受講生や班員だけでなく、【インストラクターや事務局】とも良好な関係を構築することも重要です。中には、インストラクター自身が、みなさんの自由闊達意見を停滞させていくパターンも見受けられますが、負けないことが重要です。理不尽な場合は、受講生とインストラクターという垣根を超え、お互いにプロの企業人として対応する心を持っておくことも重要です。もちろん、その前に事務局に相談することも忘れずに!
インストラクターや事務局も成長していく必要がある!
①グループ討議力
本題に入っていきます。まずは【グループ討議力】です。
結論から申し上げれば、グループ討議力が非力であれば、良い結果はまず生まれません。
理由としては、どんなに優秀な個が集まろうと、養成課程は個の力では、時間的にも能力的にも限界があるためです。具体的には、実習では代表者ヒアリング、来街者アンケート、店内調査など多岐に渡る調査があり、これらを一人で実施することは不可能です。
よって、班員全員が協力プレイするための、グループ討議力を養わなければ、良い結果が生まれるはずはありません。
グループ討議において重要な要素は主に以下の4点です。
- 発散
- 収束
- 共有
- 決定
「否定せずに、なんでも意見を出し合い(発散)」、「カテゴリーごとに意見を整理し(収束)」、「各項目の根拠を集め、共有し(共有)」、「みんなが納得し、方向性を決める(決定)」することが重要です。
グループ討議の流れで、特に③共有が抜けている場合があります。根拠のないニュアンスで語ることは、中小企業診断士予備軍としては当然NGです。意見を妨げず、自由に答えていい。その一方で、その自説を証明するには、根拠を探す必要があります。また、情報を共有していないばかりに、全体の報告書に齟齬がでます。
また、どうしても決定について納得できない班員がいる場合は、納得するまで説明を繰り返すことが重要です。目的がなんなのかを確かめながら進めていきましょう。あまり多数決は望ましくありません。また、じゃんけんで決めるなどはもってのほかです。
また基本的な姿勢として、討議中でも知らない言葉がでたら、すぐに意味を調べるようにしましょう。言葉の定義が間違っていると、議論や対話がズレる可能性があるためです。ここ、結構重要なんです。
グループ討議のサイクルを図にすると以下のような形になります。
今まで繰り返しにお伝えしていますが、グループ討議を高める技術が、ファシリテーション能力です。養成課程に進む前に、事前学習をするなら、本当にこれだけで良いといえるくらい大事な要素になりますので、気になる方は以下の記事を参考にしてください。
②一次試験の知識
なんか、議論をしていると論点がズレている気がするんだよなぁ・・・
グループ討議をしていると、何か嚙み合わないなぁ、という場面がしばしばあります。特にストレスを感じるのは、【1次試験の知識が定着化していない班員が多い】場合です。
具体的な例を出すのであれば、売上は端的にいうと、客数×客単価。ここまでは基本的な知識として誰でも分かるとして、企業全体として考えるのあれば、ROIの視点が重要になる。利益率を上げるのか?回転率を上げるのか?
1次試験の知識には以下がバランス良く定着していることが望ましいといえます。
- 企業経営理論
- 財務会計
- 運営管理
特に財務会計については、苦手意識のある受講生が多い。中小企業診断士が最初に仮説を立てる材料である財務諸表を読み解けなければ、現場に行って気づいた情報について精査に時間がかかったり、方向性に齟齬が生まれる可能性があります。
最低限、【経営分析】については、2次試験の設問1をやりこむなどで、手計算ででき、経営上のどこに不具合があるかを、10分程度で決算書から読み解ける事前学習は必須です。
③プレゼンテーション能力
ここで言うプレゼン能力とは、グループ討議などで、いかに端的にわかりやすく他者に伝えることができるのか?という能力を指します。
これは雑談ですが、昨日たまたま、どこかの経営指導員の報告書を見たのですが、一言で言うと残念。専門用語を並び立てているだけで、まったく文章の起承転結が支離滅裂の、自分に酔ったメルヘンの世界。
こういったパターンに陥らないように重要なことは、本当に発言する言葉や、記す文字の意味を知っており、操れているかです。【言葉の再定義】。普段何気なく使用している、あなたの言葉。本当に合っているのか?再定義する習慣を持つことが重要です。
例えば、「的を得る」とほぼ9割の人が表現しますが、まず検索する前に、この表現を考えてください。純粋に言葉の意味を。すると、なにがおかしいか見えてくるはずです。
次に、重要なことは、【話し方にプレップ法を意識】することです。プレップ法は簡単に言うと以下の流れで話すことです。
- 結論
- 理由
- 具体的な例
- (メリット・デメリット・課題など)
- 再度・結論
慣れない場合は、【まずは結論を述べる】を意識してください。そして、さらに鍛えたい場合は、理由を思いついてなくても3つ設定し、自分を追い込んでみること。この方法結構使いえますよ。
最後に、手前味噌ですが、プレゼン評価が全実習で4であった私からのアドバイスです。
100%準備しない。思いやりをもって、話しかける。
プレゼンは、相手に何を伝えたいかの思いが乗っている必要があります。一言一句を全て丸暗記、もしくはメモを読むような話し方は相手に伝わりません。相手のために、何を伝えたいのかの思いやりをもって、話しかけるようにプレゼンする。これは、おそらく誰にでも伝わるプレゼンの技法だと考えています。
間違っても、役所みたいなプレゼンはしないように!プレゼン資料も役所の曼荼羅資料には注意です。正直、絶対伝わりません。ここは中小企業診断士養成課程です。
でも、緊張して、伝えられないよ・・・
という方、緊張はしてください。でも、相手に何を伝えたいかを意識すれば、おのずと私の伝えたい意味がわかると考えています。これらの内容について、より詳細を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
④段取り力
段取り力は、端的に申し上げれば、事前準備ができているかどうかです。
演習の前日に予習はしていますか?
演習が終われば、復習をして知識を定着化していますか?
実習の時は、スケジュールや物品管理などができていますか?
ポイントは、【人任せにしないこと】。段取りをしていることは必ず【共有すること】。
そして、あなたにはできないことはないと、【自分を信じること】です。
グループでの、役割分担や、段取りがおそまつであれば、本当に苦労します。班員全員が当事者意識をもって、事前準備に漏れがないかを、確認しあうことが重要です。
⑤PCスキル
PCスキルは、養成課程では単なる操作技術ではありません。報告書を作成する能力です。
詳細は以下の記事にまとめていますので、気になる方はご確認ください。
2人は、養成課程最初の講義が終わり、教室を後にする。
1次試験の知識が・・・
皆に迷惑かけないように復習ね!
最後にみなさんに、アドバイスです。仕事忙しいですよね。なかなか、1次試験の復習をする時間がない方は、【教科書を持参する】ことを忘れないようにしてください。演習や実習で、「確かあの知識使えたんじゃないかな?」と思った人は、すぐ調べてアウトプットをしましょう。
養成課程期間中に、どれだけ知識をアウトプットできたかが、今後の中小企業診断士人生にも大きく影響を与えます。中小企業診断士養成課程は、あなたにとっての絶好の実験の場でもあることを忘れずに、ぜひ知識を操れる中小企業診断士を目指してください!
「中小企業診断士1次試験の知識は、現場で役に立たない」
と言っている人には、受講生、講師ともに注意。それは、知識が実践として結びついていない恥ずかしい発言であると考えた方がいいでしょう。
誰かじゃなく、常に自分がどう思うかが大事
まとめ
【あなたも追体験!】中小企業大学校養成課程【第9回:学びの姿勢の考察②】、いかがだったでしょうか?
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