筆記試験で合格したけど、中小企業診断士養成課程も実は気になる
これから行くけど、どんな研修なのかなぁ?
卒業してから、結構忘れてるから思い出したいなぁ
と、感じている中小企業診断士受験生や中小企業診断士の方、必見!
養成課程を得て、中小企業診断士として活動している私が、当時学んだ内容について、解説していきます。この記事を読んで頂ければ、中小企業診断士養成課程でどのようなことを学んでいるかを追体験できること間違いなし!
おはようございます!中小企業診断士のグレート☆セバスチャンと申します。私のプロフィールは、こちらへ。
重要
私の養成課程期間中の体験談を基にお伝えしていきますが、企業の特定に結び付く情報や、各研修の詳細をそのまま使用することはありません。あくまで学んだことを、私の視点から解釈し、再構成している点についてご了承ください。
財務分析の目的の考察①
3日目の後半戦。ロックとマリアは次の財務分析の演習について話している。
財務分析って聞くだけで、苦手意識がある
確かに!事務局もそう言ってたね!
【財務分析】と聞いて、経営支援において、どのような行動を取るかをすぐに説明できるでしょうか?
中小企業診断士養成課程は、多くの財務諸表を【診る】機会が存在します。しかし、ほとんどの受講生が財務分析を苦手としています。
いやいや銀行や信用保証協会など、金融機関出身者が多いからそんなはずないよ?
それは強力な【バイアス】かもしれません。今回は財務分析をどのように進めていくかを考察していきましょう!
まずは【人間力】が重要だ!
前提
「パソコンや、ノートを開いている人は閉じなさい!」
講師は説明資料に集中させる意図から、生徒たちに注意を促した。
財務会計の演習が開始。公認会計士の資格を持つ講師で、かなり個性的な印象をロックとマリアは受ける。本日の演習は来週の本格的な演習に向けて、【財務会計の目的】について学ぶことが主のようである。
2日目にある財務会計は【ガイダンス】に当ります。本格的な演習は全て来週からです。今回は、財務会計は本質的な意味についての説明をしていきます。
財務分析とはなんなんだろうか?
質問
以下の質問が最初に出題された。
- 「売上が不足しているので店舗改装で客席数を増やしたい」との融資相談がある。決算書のどこを見て、融資判断をするか?
- お寿司屋さんが繁盛するための条件は、決算書のどこに表示されているか?
- お寿司屋さんが2件ある。1件は町でも評判の人気店だが、店主の顔は明るくない。もう1件は味はそこそこで、すぐに席に付くことが可能だが、店主は気楽な感じである。なぜだろうか?
ロックは①について、以下のように解答する。
「・・・店舗改装をできるための返済原資があるかだから、現金や借入状況の確認かな。」
マリアは②について、以下のように解答する。
「お寿司屋さんが繁盛するためには、売上や利益率が同業者の平均してどれくらい優位性があるあるか、経営分析をする必要があるわね。」
などなど、他の班員も含み【決算書とにらめっこ】。特に金融機関出身の受講生は、電卓を叩いたり、経営分析のエクセルに入力しながら、あらゆるシミュレーションを立てている。
二人は③について、以下のように解答する。
「評判の人気店は忙しすぎて、店主の余裕がないのかな?」
「そこそこの店は、あまりやる気がない感じなのかな?」
今度はみんなで【想像を振り絞って】いる。特に支援機関出身の受講生は、その経験から、多くの想定されるシミュレーションを述べていた。
みなさんはどのように考えますか?少し考えてみましょう!
回答・結論
「答えはない!」
(えー!)
と、ロックとマリアは呆気にとられる。講師は一生懸命時間をかけて議論する受講生を一刀両断したのだ。
「答えはない。決算書のみや、眼に見えているものだけで判断はできない」
講師の説明をまとめると以下のようである。
- ①・②については、決算書とにらめっこをして、経営者の話を聞かないで判断している点
- ③については、逆に決算書の情報から、資金繰りの状況を把握できていない点
ロックとマリアは心の中で「・・・確かにそうだけど。少し意地悪だな。笑」と思う。
「答えは現場にしかない」
講師は、一言そのように言い放った。
確かにそうだけど、なら財務会計何のためにあるの?
数値だけで決めつけるな、ってことかな?
考察
「自己資本比率は○○%以上でなければならない」
「売上総利益率は業界平均で見ると、○○%以上が望ましい。」
講師は中小企業診断士1次試験を通過した受講生に対し、【ペーパー知識】で判断する【バイアス】について、注意を促した。
班での意見出しにおいて、以下のような発言がある。
ロック「まず財務諸表を分析しないと、何を基に改善していくか分からないよ!」
マリア「・・・逆に現場の目に見える状況だけで判断するのも危険な気がするわね。」
支援機関職員「いやいや結局現場に全てがあって、経験がものを言うんよ。」
銀行員「私なら、決算書を経営分析して、自己資本比率が低いから、安全性の改善が必要です、というような提案をするかな。」
保証協会「そうですね。私も同様に利益率が低くて繰越利益剰余金が毎期出ていない場合は、原価管理ソフトをいれてください、などの提案を実務的に実施します。」
私が実務で銀行員や保証協会などの金融系の担当者と同行すると、たまに専門用語と担当者の一方的な提案をされる方がいます。私の経験でいけば、自己資本比率などの○○率の計算をパソコンに入力して、○○率の状況からスタートすることは危険だと感じています。理由は、○○率にはその【企業の金額という規模感が加味されていない】からです。例えば、利益率が低い商品が多かったとしても、一日にたくさん販売できる(回転する)なら、会社に貢献します。仮に利益率が1%でも、金額が1億なら、利益率80%で金額が100円よりも十分に会社に貢献するという単純な話です。ただ、おおいにそれを見失う。まずは純粋にその会社の数値を判断し、その後○○率で黒字企業と比較し仮説を立て、現地で検証をすることが重要です。
ロックは、「やっぱり現場が全てだ!」と思っている様子。マリアは、「何を目標にするのか・・・現場診断だけだと、少しゴールが見えずらいわね。」と考えている。二人はモヤモヤが収まらないまま休憩へ。
財務分析とは何か?財務分析と経営分析の違いはなんでしょうか?みなさんも一緒に考えていきましょう!
財務分析と経営分析どう違う?
まとめ
【あなたも追体験!】中小企業大学校養成課程【第12回:財務分析の目的の考察①】、いかがだったでしょうか?
このブログを読んで、少しでもためになったという方は、ブログの応援と投票お願いします。みなさんの協力が必要です。何卒宜しくお願い致します。
少しづつですが確実に応援してくれている読者が増加しており、本当に励みになっております。毎日感謝です!
また、Twitterにも登録して頂くと、記事を更新した時にお知らせしますので、今後も「志」ともに、一緒に学んでいけると幸いです。