筆記試験で合格したけど、中小企業診断士養成課程も実は気になる
これから行くけど、どんな研修なのかなぁ?
卒業してから、結構忘れてるから思い出したいなぁ
と、感じている中小企業診断士受験生や中小企業診断士の方、必見!
養成課程を得て、中小企業診断士として活動している私が、当時学んだ内容について、解説していきます。この記事を読んで頂ければ、中小企業診断士養成課程でどのようなことを学んでいるかを追体験できること間違いなし!
おはようございます!中小企業診断士のグレート☆セバスチャンと申します。私のプロフィールは、こちらへ。
重要
私の養成課程期間中の体験談を基にお伝えしていきますが、企業の特定に結び付く情報や、各研修の詳細をそのまま使用することはありません。あくまで学んだことを、私の視点から解釈し、再構成している点についてご了承ください。
修得水準の評価項目
審査基準って、けっこうシビアなんだなぁ!
養成課程の審査基準について、職員から説明があったものの、なんとなく複雑に感じ、不安に感じている2人。審査をどう突破していけばいいのでしょうか?
休憩時間になり、2人は審査基準についてもう一度読み直してみる。
ここでは、私が実際に養成課程を経験し、どのような点に注意するかについて解説します。おそらく初日は緊張もあり、審査基準について詳細が頭に入らないまま、半年間がむしゃらに研修に臨む方がほとんど。ここで理解を深めておきましょう!
まずは、審査基準の評価項目について細分化していきます。
評価項目 | 内容 |
①知識手法の理解度・応用能力 | 診断に必要な知識・手法の理解度と、それらを加工し柔軟に適用する応用能力 |
②調査・分析力 | 適切な資料収集、調査を実施し、結果等を適切に分析し現状を把握する能力 |
③インタビュー力 | 相手の意思や意見を引き出すための聞き取り能力 |
④問題形成力 | 分析結果等から総合して論理的に問題点を把握する能力 |
⑤経営課題の改善・立案力 | 問題点を把握し、経営課題改善の方向性を立案する能力 |
⑥経営戦略立案・計画策定力 | 問題点を把握し、経営戦略立案・計画策定する力 |
⑦報告書作成力 | 報告書作成のための文章力とグラフ・図示等のビジュアル化する能力 |
⑧プレゼンテーション力 | 報告を論理的かつ明確に相手に伝え、提言を実行に移すような影響力を与える能力 |
⑨班への貢献度 | 班に対する貢献度の評価 |
これらの評価項目の点数を安定的に獲得する方法について、私の経験から助言をします。
知識手法とは、演習期間中に学んだ知識の活用に加え中小企業診断士1次試験で学んだフレームワークを指します。代表的なものに、経営分析(収益性・効率性・安全性・生産性・成長性)、(クロス)SWOT分析、ピラミッドストラクチャー、流通業では4P、製造業QCDなどが挙げられます。演習期間中にもたくさんのフレームワークは出てきますが、養成課程が始まる前に、知識を定着化しておくことで、次のステップである【加工し、柔軟に適用する能力】が身に付きます。
これらのフレームワークの本は、本屋に行けばいくらでもあります。自分にあった1冊を手許においておき、養成課程期間中に、実際に使ってみる(アウトプット)ことで、他の研修生たちと差がつく1歩となります。
支援実習先の事業者にニュアンスだけでは当然納得してもらえません。調査は主に2つに分けられます。資料調査と実地調査です。資料調査のポイントは他者が見て信頼のおける文献を調査する必要があります。代表的なものとして、【業種別審査辞典】が挙げられます。約1650程度の業種について詳細が網羅されていますので、基礎的な業種調査はこれで事足ります。班員の中に、ネットワーク版を活用できる人がいれば、それだけで貢献度が増しますので、仕事柄、業種別審査辞典をお持ちの方はぜひ持参できる環境を整備してください。なお、図書館にもありますが、毎回取り合いになります。なお、私が活用していたものとして、【JRS経営情報サービス】があります。民間企業から来ている方でお持ちの方は、活用できる環境があれば持参してください。その他、ネット検索をする時に、検索したい内容のあとに「総研」や「.ac.jp」や「.go.jp」と入力することで有効な情報が出てくるので実際に活用してみてください。実地調査については、来街アンケートなどを実施し、生の顧客データを集計していく方法です。これは実習の内容になった時に詳細は解説します。
なお、調査・分析も重要なのですが、前提として、あなた自身の仮説、つまり【自説を持つこと】が非常に重要です。自説を持つことで、その答えを出すための根拠を探しますので、時間も無駄に浪費せずに済みます。
自説を持って、証明することが重要
インタビュー力について、最も重要な要素は、傾聴と切り返しです。傾聴はその名のとおり、事業者に多くを話てもらい、課題解決につながるパーツを引き出していくことです。持論ばかりを言う方は診断士としては不向きかもしれません。切り替えしは、傾聴が重要とはいえ、インタビュー時間には制限があります。支援事業者は仕事の合間に対応してくれるため、傾聴をし続けるだけでは、全ての質問の聞き取りが終わりません。話が脱線した場合は、元に戻し、質問を多くぶつける工夫が必要です。また、質問票の上から順番には答えてくれないことを前提に臨むことも重要です。柔軟に、会話の中でつながった部分をどんどん聞いていく方が効率的だと言えます。
インタビュー力については、一人でできないことがある意味では難所。日頃から経営支援の仕事をしている方はむしろ一人の方が上手くいく場合を感じるかもしれません。とはいえ、養成課程期間中にグループ全体でインタビューすることも大きな経験となります。慣れていない班員のためにも、慣れている方はサポートをしながら、自分だけでなく、班員全員が質問できるような気配りが重要です。
問題形成力は、支援事業者の悩みに対する本質的な原因を見つけることのできる能力です。正直ここが最も難しいといえるでしょう。各自が考える仮説の検証を合わせ、要素ごとに意見出しをし、紙に見える化します。それらを、深く掘り下げ、1つ~3つ程度の真の原因【真因】を見つけていく作業です。養成課程を得たみなさんなら、お分かりと思いますが、これが養成課程期間中で最もストレスとなるフェーズとなります。班員全員が納得のいく、クリティカルな真因を見つけるためには、全員の力がいることと、各自の経験、極めつけは論理的な思考だけでなく創造的な思考という才能も必要だといえます。この大きな壁を乗り越える手法としては、ピラミッドストラクチャーや曼荼羅などの考えを整理する技術が増すとです。発散→収束を繰り返し、繰り返しすることで希望の光が見えてきます。
自説を貫くことも大事ですが、班員全員の意見の基、自分の自説を柔軟に見直すことも重要です。ストレートに言えば、実際に現場で支援事業者を支援している経験のある人とそうでない人では、この問題形成力については大きな開きがあります。有能な人に従え、という訳ではありませんが、時にはそうした方が上手くいく場合があることも覚えておきましょう。
実力不足を認めることも重要
計画立案能力、計画策定能力については、【次の日から実行に移せる現実的な計画】となっているかが評価の分かれ目です。とはいえ、なかなか実習生レベルで、次の日から実行に移せる現実的な計画を立てることは困難。まずは、戦略部分を明確に定めることができれば、実習レベルとしては合格点だと考えられます。ストレートに言うと、次の日から実行に移せる現実的な計画を出すことができるのは経験で差がつきます。例えば、流通関係で長年仕事をした実務が分かるや、製造関係で実際に工場のラインを経験したなどです。さらに言うのであれば、各業種の経験もワーカーレベルから管理者レベルまで経験している人である必要があります。もし、現在の仕事でワーカーからマネジメントまで仕事をしている人がいらっしゃれば、一歩リードできるでしょう。
計画を策定し、現実的な解決ツールまで提案できる実習となっていれば、それは立派なプロの領域です。もし、解決ツールまで複数完成している班であれば、かなりレベルの高い状態だといえます。
報告書作成能力については、短時間でわかりやすい報告書を作成する必要があります。報告書には、ワード形式の報告書とパワーポイントを活用したプレゼン資料、各種ツールをExcelで作成したものがあります。私が用いていた手法としては、重要なポイントは合間を見て、図などで見える化をしておくことです。フレームワークを駆使できるレベルになっていれば、視覚的に伝わりやすい図の作成がスムーズに実施できます。各種報告書も、この図が明確でわかりやすければ、文字をあまり書く必要がありません。逆に文字ばかりだと、実習が終われば、事業者も見ることが少なくなるかもしれません。作成した報告書が本当に、その後有効なものとして活用されるのかを考え、ただの報告のための報告書にならないように気を付けることが重要です。
最後に、支援事業者に伝わらなければ、せっかく作り込んだ報告書も残念ながら有効だとは言えません。研修生の陥る現象として、ワードの報告書が発表ギリギリで完成し、最後のプレゼン用の資料に工夫が見られない点です。もしかしたら、支援事業者が眠るなんてこともあるかもしれません。報告書作成のポイントでもお伝えしましたが、ポイントを常に見える化しておくことで、短時間でプレゼンテーション資料が出来上がります。そこからがスタートです。アニメーションなどを入れて、飽きのこないように工夫したり、発表そのものの練習に時間を割くことが重要です。プレゼンの苦手な人はぜひ養成課程期間を活用し、克服してください!
ここは一言でわかりやすければ、「ファシリテーション能力」です。例えば議論のレイヤーが異なる場合に意識的に合わせたり、的外れな議論になっている場合に本筋に戻したり、班全体を導く力を問われています。これは班長の役割という訳ではありません。班員一人一人が意識して全体をファシリテートしていくことで、班全体の議論や気づきを活性化させる行動を指します。もちろん身勝手な行動は、班行動である以上許されません。
これらの具体的な手法については、今後の記事でより深ぼりしていきますので、まずはどのような観点で審査をされて、何を準備しておく必要があるかを理解しておくことが重要です。
実際に経験しないとわからない
でも、心構えは必要よね!
審査項目を良く理解することで効率的に研修を進めるんだ!
報告書の作成方法は以下の記事でも触れているので参考にしてください。
まとめ
【あなたも追体験!】中小企業大学校養成課程【第3回:評価項目の考察】、いかがだったでしょうか?
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