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【次に来る補助金はこれだ!】令和5年度補正予算案【省人・省力化補助金】まとめ版

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新型コロナウィルスも落ち着いてきたし、コロナ関連補助金も縮小かなぁ?

でもコスト高だし、国も次の政策を考えてるんじゃないかな?

と、考察している専門家、事業者のみんさま必見!中小企業診断士の視点から、【令和5年度の補助金の予測】を記事にまとめました。

  • そもそも国の予算の仕組みって?
  • 2023年度のトレンド?
  • 対策は?
  • どんな補助金くるの?
  • 具体的に予測

この記事を読んでいただければ、来年度の補助金活用を計画的に準備できること間違いなし!

おはようございます!【朝活ブロガー中小企業診断士】のグレート☆セバスチャンです。私のプロフィールは、こちらへ。

それでは、さっそくいってみましょう!

国の予算の仕組み

というか、そもそも【国の予算】ってどのように決まってるの?

普段直接考える機会がないと思いますので、まずは、国の予算について簡単に解説します。なお、社会の勉強サイトではないので、あくまで中小企業者向けの内容に絞って解説します。

国の予算には主に以下の2つがあります。

  1. 当初予算
  2. 補正予算

以下に解説をしていきます。

当初予算

当初予算、本予算とも言います。期間が会計年度である【4月1日~翌年3月31日】の間に算出された年間予算です。毎年1月に召集される通常国会の前半で政府予算案が国会へ提出され、審議をえて、3月末日までに成立するよう定められています。

さらに詳細を知りたい方は、以下にアクセス!

5866.pdf (khk.co.jp)

今回の予測している【省人化・省力化補助金】は次の【補正予算】となります。

補正予算

補正予算は、当初より税収が増減したり、災害などで歳出が多かったときに、組み直した予算のことです。補正予算は11月から12月の間に予算編成が行われ、翌年の1月頃の国会審議をえて成立し、4月以降に執行】されます。

このため、令和6年4月以降に公募が始まる補助金の名称は、令和5年度補正予算から執行されることから、【令和5年度補正○○補助金】となる点に注意です。

9月~12月にかけて、国の官僚や、各政党が関係団体へヒアリングされ、各団体が要望書を出します。これらを政府がまとめ、予算案を提出します。

商工会や商工会議所、中央会などの経済団体も要望を9月までに固めて、要望書として中小企業庁へ提出しています。

国会を得て決議されなければならないものの、毎年12月から1月には時期補正予算の情報が出ますので、事前にチェックをしておくことが重要です。具体的には与党の出す【○○年度予算大綱】が例年12月中旬頃に発表されます。

令和5年度予算編成大綱 | 政策 | ニュース | 自由民主党 (jimin.jp)

yosan2023.pdf (komei.or.jp)

※令和5年度予算編成大綱より

昨年度の中小企業へ関係のある内容を上記でした。直接的な補助金名までは出ていませんが、この時期には具体的な方針は固まっています。もちろん1月以降の国会審議で決議されますので、決議を得てからになりますが、半数以上の与党案ですので、事実上大きくひっくり返ることはほとんどないと考えられます。

また専門家や事業者のみなさんは、ここの時期について中小企業庁のホームページをしっかりチェックしておくことをおすすめします。

中小企業庁:中小企業対策関連予算 (meti.go.jp)

令和4年度が12月末に情報公開されていますので、与党の大綱がでてから約1週間程度で【予算案のポイント】がでます。

ここには、このように具体的な補助金名と予算【案】の規模がまとめられてますので、チェックしておくことが重要です。

なお商工会、商工会議所の経営指導員さんたちも、この流れを知っておくことで、自分たちの来年度の仕事内容がどうなるか、おおまかに予測ができますので、心構えと準備ができます。

2023年度の事業環境変化

なんか最近どんどん物価上がってない?

でも、給料上がらないしなぁ・・・

皆さんも生活する中でひしひしと感じているはずです。また、10月よりインボイスも開始されました。インボイスでさらに物価が上がると予測される内容などは以前の記事にまとめていますので、参考にしてください。

【超わかりやすい!】インボイス制度解説【免税・個人事業主向け】 「インボイス制度が10月から始まるっていうけど、そもそもインボイスってなんなの?」 とお悩みの方ご安心ください。 中小企業...

本題ですが、令和5年度補正予算の補助金を予測するにあたって、現在の外部環境を把握しておくことが必要です。

景況トレンドの把握方法

専門家の方や、支援機関の支援担当者、また経営者の皆さんのトレンドをつかむ材料として以下を紹介します。

  1. 日銀短観
  2. 中小機構景況調査
  3. 日本政策金融公庫
  4. 商工中金景況調査
  5. 全国商工会連合会 景気動向調査レポート

前提ですが、景況感は複数の内容を見る必要があります。理由としては、時期はいっしょの時期のものが多いですが、調査対象に違いがあるからです。小規模事業者だったり、中規模だったり、中堅・大企業だったりと、異なりますので総合的に判断する必要があります。

①日銀短観

日本の【銀行の銀行】である日本銀行が出している日銀短観は、他の調査機関の調査が日銀短観の結果と照らし合わせて、整合性があるかに用いる景況調査です。ただし、専門的な統計グラフの見方が必要ですので、読み込むのに時間がかかります。

※それぞれのリンクは上記の調査名からアクセスしてください。

②中小機構の景況調査

全国商工会連合会の景気動向調査の次におすすめしているのが、この中小機構の景況調査です。理由は以下です。

  • 調査対象企業数:約19,000者
  • 調査協力企業:商工会・商工会議所・中央会
  • 長い歴史

まずは圧倒的な母数です。これだけの母数があればかなり精度の高い実績となります。また、その調査を実施しているのは全国の商工会、商工会議所、中央会の現場の経営指導員です。現場の最前線の声を拾えるスペシャリストたちが直接調査を実施しています。

そして、その歴史は40年を超えています。やがて50年。この前、マル経50周年式典がありましたが、それに近い期間、この中小機構の景況調査も実施されているものです。

それはわかったけど、どこをみればいいの?

おすすめは、【中小企業景況調査のポイント】というものです。

※中小機構ホームページより

他の調査機関のものは基本的にDIグラフとセットで解説があり、見慣れていない人にとってはつかみにくい構造です。この中小機構の出しているポイントは、現在のトレンドの際立つ内容をポイントに説明、且つ事業者の生声も反映しているので、非常にわかりやすい内容です。ぜひ参考にしてください!

※それぞれのリンクは上記の調査名からアクセスしてください。

③日本政策金融公庫 景況調査

公庫の景況調査は以下で分かれています。

  • 小企業
  • 中小企業

規模別に調査が実施されています。レポートについては、少し専門的な知識がいるイメージですが、日本の中小・小規模事業者を支えている公庫から借り入れをしている事業者のバックデータを考えれば、非常に信頼度の高い調査なので、参考になること間違いなしです。

※それぞれのリンクは上記の調査名からアクセスしてください。

④商工中金 景況調査

商工中金の景況調査の特徴は、中堅以上の企業トレンドです。中小・小規模事業者のトレンドを掴むためには、川上の元請け企業の状況を知っておくことも重要となります。

商工中金の【全文レポート】は読みやすい構成です。誰が見てもわかりやすいように作成されていありますし、最後には事業者の生声も入っていますので、一見の価値ありです。

※それぞれのリンクは上記の調査名からアクセスしてください。

⑤全国商工会連合会 景気動向調査

一番のおすすめは、この全国商工会連合会の景気動向調査レポートです。以下の特徴があります。

  • 毎月更新
  • 経営指導員による実地調査

各機関が実施している調査のほとんどは、四半期に1回です。毎月調査を実施しており、且つ全国47都道府県の現場にもっとも近い経営指導員が調査を実施している信頼度の高い調査は他に類を見ないといっても過言ではりません。

また、レポート内容も定量情報に加えて、経営指導員の支援による事業者の生声である定性情報も含まれているので、わかりやすい構成です。

具体的に、以下に全国商工会連合会が公表している調査の検索方法を紹介します。

検索し、アクセス。

検索欄に【景気動向調査】を入力。毎月月末くらいにアップされます。なお、四半期に1回【景況調査】のデータもアップされます。

ここに毎月の景気動向調査の結果が示されています。

添付ファイルをクリック。

念のために確認ですが、DIとは端的に言うと、景況感が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」の割合を差し引いて算出したものです。赤枠の内容をとれば、以下になります。

  • 8月の売上額DIは、悪いと回答した割合より、良いと回答した割合が8.9%多かった。
  • 8月の採算性DIは、良いと回答した割合より、悪いと回答した割合が32.9%多かった。
  • 8月の資金繰りDIは、良いと回答した割合より、悪いと回答した割合が29.5%多かった。
  • 8月の業況DIは、良いと回答した割合より、悪いと回答した割合が23.4%多かった。

というような状況です。少なくとも直近3カ月程度の流れを確認することで、足下の状況が把握できます。詳しい内容はぜひ毎月確認してみてください。

2023年度の事業環境

前段で述べました景況調査のデータから2023年度は以下の事業環境変化が生じていると考えられます。

  1. 新型コロナウィルスの終息
  2. 売上はコロナ前まで改善傾向
  3. 原油・原材料高・円安によるコスト高
  4. 深刻な人手不足
  5. ゼロゼロ融資の返済開始
  6. 景況感は停滞

①新型コロナウィルスの終息

私のいる東京もいまやマスクをしていない人は半数以上であり、周りの目も気にならなくなりました。ここで重要なことは、これからの国の補助金において、新型コロナウィルスを理由にすることはできないということです。

いやいや、まだコロナの影響を引きづっているよ!

と、お声がでそうですが、新型コロナを理由にすることはもう、きっぱりあきらめて、次の策を練ることがベスト。財務省も、もはやコロナを理由に補助金を設定することは難しくなるでしょう。

②売上はコロナ前まで改善傾向

景況感をみる限り、コロナ前まで【売上】は改善しています。この【売上】を把握しておくことが重要です。売上は全ての付加価値の原資です。少なくとも、売上が上がることで、経済活動は正常化していると国は全体観では判断します。マクロ的な観点でいくと、売上が改善することは全体に巡るキャッシュの量が増えていることは事実です。前段で述べた、コロナを言い訳にできない理由は、世の中に巡っているお金の量は正常化しつつあるからです。

いやいや、でも、うちの会社にはお金が残ってないよ!

そうですよね。それが2023年度最も問題になっている次の課題です。

原油・原材料高・円安によるコスト高

景況調査では、採算性が継続的に低く推移しています。ロシアのウクライナ侵攻により始まった世界的な物価高は、原材料やコストを引き上げています。日本経済の全体では売上という全ての付加価値の原資は巡り始めましたが、その付加価値の引っ張り合いでは各個別の事業者で大きな格差が生じています。

取引上の力関係でいけば、いくら下請法の規制を強くしたところで、大企業側に中小・小規模事業者が逆らえないのは自明の理。川下にいくほど、利益は最小になっていく構造自体が問題です。

売上が上昇し、顧客や受注が増加しています。しかし、ここで問題となったのが深刻な人出不足です。経済が回りだして、売れるけど、追いついてない。なぜなら、コロナで人を削減してきたから。人の採用は急には整備できないものです。

じゃぁどうするか?そう、設備投資をし、省人化、省力化をするんですね。

景況調査の結果では、中堅・大企業の設備投資割合は増加傾向です。設備投資ができているのは中堅から大企業だけだった。その結果ますます格差が広がっている、というのが現在の問題点です。いわゆる【K時型】の景況状況ということです。

④深刻な人手不足

まずは以下のグラフを見てみます。

ん?労働力人口あがってるじゃん

女性の社会進出など、労働力人口自体は増えていますが、それは都市部だけです。また、人材は給与の良い大企業が積極的に採用していることから、中小企業・小規模事業者においては慢性的な人手不足が続いています。

⑤ゼロゼロ融資の返済開始

ゼロゼロ融資とは、簡単にいうと、コロナ渦で売上が減少した企業に実質無利子・無担保で融資する仕組みです。その元金返済が2023年7月から本格化しています。それまでは元金返済を一定期間、据え置き(払わなくてよかった)状況です。

たまに勘違いしている経営者がいるので、少し説明すると、据え置きは基本的にはしないことがベストです。

例:運転資金750万円を5年返済で借りた場合

据え置きは、負担を先延ばしするだけであり、私もよほどのことがない限りは据え置きを事業者には進めません。コロナ期間中であれ、そのスタンスはあまり変えませんでした。せいぜい提案しても1年でしたね。

1年あれば、外部環境の変化に適応できる経営指導をしていたのと、1年で外部環境の変化に適応できなければ、厳しめにいうと、それは何も策を考えていないからです。

事業環境は安定してません。コロナが終われば、原油高、原油高がおわれば次は○○。その都度、外部環境へ適応しなければ、いずれか力つきるだけなんです。事実、倒産件数が増加しています。

借り換えすればいいじゃん!

確かに方法の1つですが、私が経営者であるなら、長いコロナで苦しめられ、売上は上がってきたけど、人出不足とコスト高でもうけはない。なのに元金返済が始まる。借り換えができます・・・でもそれは延命措置にしかならない。もう精神的に疲れたよ。とならないですか?そんなに単純な話ではないと思います。

なら、リスケをお願いしよう!

それを言っちゃおしめぇよ!笑。リスケしたら、銀行格付けで【要管理先】になりますよ!要管理先になれば、通常の借り入れができなくなります。まさしく会社の価値に傷がつくことです。それこそ事業者にとっては精神的にも大きなストレスになります。正常先を保ちつつ対策を打つことが、まずはベストだといえます。

とにかく逃げの対策はダメです!支援者側も、都度の課題である点だけをみるのではなく、少なくとも3年から5年先を見据えた経営支援プログラム(ロードマップ)を組むことが重要です。今回、予測する省人化・省力化補助金も、あくまで点です。

⑥景況感は停滞

話が脱線しましたので戻します。売上が改善していると申し上げましたが、直近の夏では停滞しています。歴史上類をみない酷暑だったことから、夏場はインバウンド需要が伸びたとはいえ、国内人口があまり外に出なかったという事態が生じており、決して良い状況ではありませんでした。

ここまでの話を聞いて、どう思いましたか?

マジでやばくない!?

そうなんです!本当に今手を打って行かないと、ヤバすぎるんです。これに災害が突発的にきたらと思うと・・・絶望です。

定量的な分析

売上が伸びていて、受注が増えているのに、なぜ中小・小規模事業者は設備投資ができないの?

ここについては、簡単に定量的な解説をします。

  1. 営業CF 微増
  2. 投資CF ?
  3. 財務CF マイナス

日頃から中小・小規模事業者の決算書を見ていて、今の【ヤバイ状況】で、損益計算書と貸借対照表のみで、そこの会社が続くか続かないかを判断するわけにはいきません。

簡単にいうなら、その事業者の事業用の通帳にいくらあるの?という話です。

①営業CF 微増

営業CF(営業キャッシュフロー)は、難しいことを除いて説明するなら、税引き後の営業利益額です(※減価償却などの細かい説明は省きます)。要は本業のもうけで、【現金】としていくら増えたの?ということです。コロナ前まで改善はしてきているのですが、コスト高によって【微増】という判断です。

③財務CF マイナス

返済が始まっている。ここには【元金返済】が入ります。これは大きなマイナスの状況であると判断できます。

ここで投資CF科かかる質問です。投資できますか?

よし!この機会は今だからこと他者と差をつけられる!今こそが設備投資だ!

この判断をしていたい事業者や支援者側はめちゃくちゃ凄い!大きなリスクに対して、あえて投資をすることで、他者と差別化でき、売上を大きく伸ばした時期だったと思います。

でも現実は景況調査のとおりです。経営基盤の脆弱な中小企業にとって、②を現時点で積極的に実施できた企業はほとんどないことが現状です。中小企業はキャッシュがないんです。売上が上昇。現金微増。コスト高で現金減。しかも、ゼロゼロ融資の据え置き期間終了元金返済の重みがのしかかる。

しかも、インボイスが始まり、売上1,000万円未満の小規模事業者にとっては実質の増税であるので、①の営業CFはさらにマイナスとなる可能性が高い。

ここまで外部環境について解説してきましたが、この状況。まじで【ヤバイ】です。あまり、オブラートに包んで言うことは嫌いなので、まずは第1部では、現状を把握してもらうことで、どのような対策が必要か?また、だからこそ省人化・省力化が必要になることを知って欲しいとの願いです。

少し厳しい表現になっていることは、ご了承ください。私自身も今この状況を、本当に本当に【ヤバイ】と感じているからこそです。

モモ

・・・どしよ!

セバスちゃん

まずは現実を知ることが第1歩

小規模事業者の決算書

ある経営指導員が「小規模事業者の決算書はみても実態とかけはなれているから、当てにならないから見てもしょうがないよ」ということを言っていました。確かに一理あるかもしれません。特に個人事業主は生活と一体化しているため、実態の利益が分かりづらいところもあります。ただし、中小企業診断士の勉強をとおして、経営分析を学んだ今では、【見てもしょうがない】とは決して思いません。理由は決算書の単なる数字はあまり当てにならないかもしれませんが、経営分析から得られる、その【事業者の癖】は支援の定量的な根拠になるためです。利益率が低い、回転率が低い、生産性が悪い、などの癖を発見し、仮説をもって、実際に現場にいくことで、課題を発見し、的確な課題解決支援につなげることができます。決算書から、分析し、仮説を立てることができる、それが正しいか間違っているかは現場にしか答えがない。しかしながら、何事も自分の自説を立てることができなければ、経営という答えのない世界で、支援をし続けることは厳しいのかもしれません。

神のお告げ

世の中に意味のないことなど1つもない

どんな対策が必要?

事業者の取り巻く環境について、主に以下の特徴があることが考察できました。

  1. 新型コロナウィルスの終息
  2. 売上はコロナ前まで改善傾向
  3. 原油・原材料高・円安によるコスト高
  4. 深刻な人手不足
  5. ゼロゼロ融資の返済開始
  6. 景況感は停滞

これらの脅威について、専門家や事業者のみなさまはどのように対策をしますか?

  1. 価格転嫁の実施
  2. 設備投資の実施

選択肢としては主にこの2つに限られるのではないでしょうか?ここではこれらの対策について考察をしていきます。

収益構造のおさらい

私が事業者を支援する時、収益構造の原点として意識するのは【ROIを高くする支援】です。

  • ROI:資本利益率=【利益÷資本】

計算の構造上から原理をシンプルに考えることが専門家や経営者には求められます。

この原理でいくなら、利益は多い方がいいですよね。資本は多い方がいいですか?少ない方がいいですか?そうです。少ない方がいいんです。

ざっくり言えば、少ない投資で大きな利益を生み出している状態が経営として上手くいく原点だと言えます。

利益と資本あれこれ

利益には、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期利益が。あとは営業利益に受取利息・配当金などの営業外収益を足した事業利益があります。

資本には、総資本や経営資本、自己資本があります。経営資本とは、経営活動のために稼働している資本のことで以下の計算になります。【経営資本=流動資産+固定資産-建設仮勘定-投資その他の資産】ですね。建設仮勘定や投資その他資産を引くのは、ざっくりいうなら、事業の利益を直接的に生み出している状態でない資産です。

いやいや、そんなの言われなくても分かっている!具体的にどう考えるの?

具体的に考えるためには、資本利益率を以下の構造に分解する必要があります。

  • 資本利益率=売上高利益率×資本回転率

もっとわかりやすく表現するなら以下です。

つまり、収益構造の原点である資本利益率を上げるためには、【利益率を上げるか、回転率を上げるかしか構造上ない】、というシンプルなものです。

なら、価格転嫁しながら、投資も積極的に実施するぞ!

とはうまくいきませんよね。なぜなら、利益率向上と回転率向上は反発し合う性質、いわゆる【トレードオフ】の関係性にあります。以下の説明は稚拙な解説になりますので、読み飛ばしてもらって大丈夫です。

  • 例えば100円の利益の商品が1日5個売れる場合で考えます。
  • 100円×5個=500円/日
  • それでは価格転嫁し、利益が150円になったとします。
  • 150円×3個=300円/日
  • ん?利益下がってない?
  • それでは利益100円を利益50円にしてみます。
  • 50円×10個=500円/日
  • 倍の10個売れたけど、変わらないじゃん!

何をいまさら、そんな当たり前の話をしているの!と突っ込まれるかもしれませんが、事業者が陥りやすい問題がここにあります。

  • 利益率を上げると、数が減る
  • 利益率を下げると、数が増える

そう。全くもって当たり前の考えです。よほど強力な差別化された独自性のある商品でない限り同様の現象がおきます。

この至って当たり前の原理をまずは前提にして、収益構造の改善について考察をしていきます。

価格転嫁の実施

価格転嫁について、以下の2つの観点から考察します。

  1. 【BtoC】の観点
  2. 【BtoB】の観点

①【BtoC】の価格転嫁考察

国が価格転嫁価格転嫁っていうし、ユニクロやイオンなどの大手も価格転嫁しているから、消費者の意識も変わってきてる!売価を上げよう!

と昨年度くらいから価格転嫁をしてきた結果、なぜかコロナ終息後にも関わらず、コロナ禍より売上減少・・・なんてことになっていませんか?

逆に【低価格戦略】をしている大手のドン・キホーテはどうですか?

  • 2023年6月期売上高 1超9367億円 前年比5.8%
  • 営業利益 1052億円 前年比18.7増

私も住んでいるところの徒歩5分にドン・キホーテがあるから、そこで買います。答えは単純です。単価がどこよりも安いからです。【価格転嫁】と一言に言って、もし単純に【売価を引き上げている】のあれば、前提でお話したとおり、買上点数が下がるだけで、全体は微増か、最悪下がる場合もあるでしょう。

でも、ほとんどの事業者が苦渋の末、売価を上げたんじゃないでしょうか?

この国の価格転嫁の発信の仕方にも問題がありますが、もう少し消費者目線に立って、踏み込んで欲しいし、支援者側も考察して欲しかったことが本音です。

2人の弁当屋の経営者がいました。一人は価格転嫁を売価で転嫁し、600円にしたところ、販売数が極端に落ちました。もう一人は、見た目には変わらないように、うまく量を調整し、価格を据え置いたところ、販売数が伸びました。しかもお客様から「大将!値段を変えず、そのままの量で頑張ってるね!ありがとう!」なんておまけ付き。

【BtoC】の価格転嫁って?

売価を上げる

量を変更し、仕入原価に転嫁

【うまい棒】って、みなさんはご存じですか?

リスカさんの出している駄菓子です。ここの会社の看板商品である【うまい棒】はうまく長さを変えながら、なるべく価格を据え置く努力をしている印象がありました。私は前職がコンビニのSVだったのですが、明らかに小さくなった時も、大人買いと称して、10本セットのコーナーを作って、POPで目立たせて爆売れさせた経験があります。

要は何が言いたいかというと、単純に価格転嫁と言われて、売価を上げたのであれば、知恵と工夫で、消費者の満足感を下げずに、売価を変えなかった】経営者とでは差が既についている、ということです。

そんなこと言っても、量を減らせばお客さんが減る!

果たしてそうでしょうか?量で満足感を得るなら、量を減らして、数を増やすマジックだってあるはず。1個あたりの、満足度が落ちても、1回分の満足が増えるなどの工夫だってあるはずです。

今一度、支援側や経営者は、消費者視点を考え、本当の意味での価格転嫁対策】を取っていくことが求められています。BtoCの業種は、特に知恵と工夫をしなければ、単価が上がっても、個数が伸びず、微増もしくは減少となる可能性があるので注意が必要です。

②【BtoB】の価格転嫁の考察

正直、価格転嫁については【BtoB】のほうが悩ましい・・・というのが私の考察です。

なぜなら、私が支援している経営者の特性は主に下請けであり、知恵と工夫ではどうしようもない、【パワーバランス】と【交渉力の弱さ】があるからです。

だから、価格転嫁が進んでないんだよ!国指導してよ!

と当然思いますが、政府にも事情があるので、事業者自身や支援者が少し、ここらへんはもう少し冷静に分解してみる必要があります。

ポイントは、具体的にどこが価格転嫁できずに問題か?だと考察します

製造原価については、価格転嫁が必要だと考察します。特に以下の科目です。

  • 材料費
  • 労務費

材料費については、最も上流である大企業や中堅企業が販売価格に転嫁した分は適正に、価格転嫁が必要だし、それがフェアだと考えます。

労務費については少し検討が必要。大企業や中堅は、間接費用などのその他の費用が大きくコストとしてかかるため、そのまま売価に転嫁した比率というのは少しフェアじゃないかもしれません。とはいえ状況によりますが、生産性の高い上流の原価は低くなるので、適正な労務費の転嫁は必要だと考察します。

個人事業主やフリーランスは、業種にもよりますが、特殊な製品や、上流が工程で失敗した生産のフォローなど、個別生産する場合が多く、原材料も提供されることと、事業主自身が製造するため、製造原価自体は低くなる傾向があります。再度言いますが、あくまで業種によります。私が実務で関わった製造業については、比較的上記のような状況だったという肌感です。

次に間接費用の人件費については、単純に規模に比例して大きくなります。

水道光熱費は、価格転嫁というよりは固定で使用料によって、全てに比例していくので、ここについては、国に対して、対策の実施をお願いするしかないところだと考えます。

広報費や開発費は大企業が当然最も高いので、これらの経費率は価格転嫁に加味する必要はあると考えます。

結論をいうと、一番きついのは2次請け、3次請けだと考えています。適正な価格転嫁が進まなければ、現在の外部環境の脅威の中、厳しい状況が待っています。

なお、個人事業主やフリーランスの方たちは、もともと規模感や額で見ると、生活費に直結するので、税制面などの根本的な仕組みを検討し、別枠で検討することが重要だと個人的には考えます。

投資の実施

価格転嫁の考え方については分かったけどさ、でも限界があるよ!

確かにそうです。価格転嫁策は決して前向きな取り組みではないんです。あくまで、現状維持か微増が関の山。

今の外部環境の脅威に対しては、【価格転嫁】は【弱点強化策】としては有効なものの、【積極的攻勢】に出るには、ハードルが高い。

そこで、この外部環境の脅威に立ち向かうためには、回転率を上げる必要がある。それが【投資】です。投資とは具体的にどんな投資がるのでしょうか?

  • ヒト
  • モノ
  • カネ
  • 情報

これらの経営資源のどこを強化していくかが鍵になります。

ヒトへの投資

外部環境の脅威で深刻な人手不足の状況で、ヒトへの投資によって、回転率が上がるとは考えにくいです。むしろ、人件費コストがあがる上に、人の採用は簡単に調整できないため、経営判断としては、おすすめができません。

モノへの投資

外部環境の脅威に適応するには、最もこの【モノ】への投資が正しい選択です。ただし、第1部で解説したとおり、【キャッシュ不足】の状態では、そもそも設備投資ができる余力がないことが問題です。

カネへの投資

株式投資やインデックス投資などのお金の投資は、中小・小規模事業者の本業から生み出される資本利益とは別の話ですので、ここは除外します。

情報への投資

知財部分の技術や、販路開拓のためのプロモーション戦略など無形の情報資産への投資についても、モノの投資と同じで重要です。一方で、そもそも経営基盤の脆弱な中小・小規模事業者にとって、現在の外部環境に適応するためには、外への対策より、まずは内への対策が優先度が高いと考えられます。

えッ!じゃぁ、もう中小・小規模事業者はどうすればいいんだよ!

答えは【設備投資】しかありません。

だから、設備投資するお金がないんだって!

そこで考えられる政策が【省人化・省力化補助金】です。

補助金を活用して、設備投資をする、という策が生き残るための選択肢の1つと考えられます。

モモ

省人・省力化補助金の話まだ!

セバスちゃん

まずは【意味】を知って欲しかったんだ!

製販一体が生き残る鍵

「価格転嫁っていっても、うちが扱ってる商品は仕入れ商品だから売価を上げるしか方法ないんだよ」。小売業でナショナルブランドを扱っている場合は価格を上げざるを得ない事実はあるでしょう。これからは中小・小規模事業者が独自性のない商品だけを販売していては生き残りが難しい可能性が高いといえます。「でも、どうすればいいの?」。1つの方法としては、店内製造などの製造機能を入れることです。もちろん設備投資や手間はかかりますが、その分軌道に乗れば、独自性に加えて、利益率の向上が期待できます。あの世界のユニクロでさえ、山口県で個人事業主として小売販売からスタートしています。これからの物価高の時代においては、販売だけでなく、製造と一体化させていく事業転換も求められるのかもしれません。

神のお告げ

上を見上げれば可能性が開ける

省力化・省人化補助金って?

ここからは、令和4年度補正予算の予測について、見解と考察を述べていきます。なお、これからの内容は中小企業診断士としての経験からの予測ですので、信じるか信じないかは、読者次第です。あくまで参考として、お読みください。

省力化・省人化の意味って?

ところで、みなさんは良く新聞を読んでいますか?

私は今の仕事柄、以下の新聞に目を通しています。

  • 朝日新聞
  • 日経新聞
  • 日刊新聞
  • 毎日新聞
  • 読売新聞
  • 赤旗新聞
  • 公明新聞

もちろん時間がないので、斜め読みです。気になったところしか読みません。その中で【公明新聞】に以下の気になる掲載がありました。ポイントは公明党は、自民党といっしょで与党という点です。

これは10月5日の記事ですが、まとめると以下の内容です。

  • 中小企業の賃上げと人手不足解消が必要
  • 省人化・省力化投資への支援を実施
  • 取引価格の適正化

外部環境の脅威については、以前の記事をご覧ください。重要な点は、中小企業の賃上げと人手不足解消を目的をしているということ。その手段として、省人化・省力化の機械などの投資を支援、つまり補助金を出すと読み取れることです。

中小企業の賃上げ、賃上げっていうけど、日本の所得ってどれくらいなの?

具体的な他の先進国との比較は以下になります。

※総務省統計局「世界の統計2023」より

少し分かりにくいと思いますが、要は日本は400万円くらいの所得に対し、他の先進国は1.5倍~2.0倍あるということです。日本は30年前と同じ水準であり、アメリカは約1.5倍となっています。最近聞くようになった、日本人の出稼ぎにも納得いきますよね。

なお、本記事を書いている11月6日時点では、1ドル約150円くらいですから、円の価値も下がっていることが分かりますよね。輸入原材料が高騰しているため、国内の物価が上がっている、一方で給与は伸びない。生活はきつくなるという感じです。

だから、省人化・省力化補助金を活用していく?

なぜ、それが賃金アップにつながるの?

以前、解説したとおり、経営の原点は少ない投資で大きな利益を上げていくことです。そして、それを分解すれば、ざっくり言うと、以下に集約されます。

  1. 利益率を上げる
  2. 回転率を上げる

①は、急激な円安等で原材料が高騰しているため、難しい。それならば、残された選択肢は②しかないということになります。つまり、機械を導入して、回転率を上げることで、売上を上げて、その付加価値を人件費に還元する、という流れになります。

回転率はあくまで【売上をベースにしている基準】ですので、生産性とは異なる点に注意する必要があります。もっと分かりやすく言うなら、機械を導入し、売上を上げることが重要です。

機械を導入して、省人化・省力化したら、人がいなくなって、むしろ解雇されるんじゃないの?

そうなんです。仮にこの補助金がどのような定量的な目標で設定されようと、経営者は単純に生産性でものごとを考えてしまえば、人の賃金は下がる方向にしかなりません。あくまで【売上を上げるための策】も同時に検討しなければ、人手不足解消のみがゴールとなり、賃金アップにはつながらないんですね。

また記事にあった、適正価格という話は省人化・省力化とは対極にある利益率の観点なので、これ以上傷が大きくならないための策という意味に近いと考えられます。

ここまでの省力化・省人化の意味をまとめた考察は以下です。

  • 単なる生産性向上のための機械導入ではない
  • 生産性を上げて、人件費コストを下げる意味ではない
  • 回転率を上げる必要がある
  • 端的に言うと、売上を上げる必要がある
  • 売上から人件費へ付加価値の分配

今の外部環境は、コロナ後で売上が上昇している業種が多い。一方で、急激な売上上昇に対し、中小企業は人手不足から、機会ロスが生まれている。現在他者と差をつけた企業は、設備投資を実施していた。つまり回転率をあげていた。しかし、それは中堅から大企業などの経営基盤の強い事業者のみだった。この状況を脅威ではなく、機会として捉えるのであれば、単純に機械を導入し、回転率を上げることで売上が伸びる事業者も存在すると考えられます。

生産性を向上させつつ、売上を上げ、【給与に還元する】

給与の向上を指標にすれば、補助金が使いにくいので、そうはならない可能性が高いと考察しますが、もし省力化・省人化補助金が導入されるのであれば、今まで考察した意味について検討する必要があるのかもしれません。

モモ

人を辞めさず、機械導入ってこと?

セバスちゃん

あくまで賃金アップにつなげるんだ!

統計資料の見つけ方

皆さんは普段の2次情報はどこで取得しますか?今は便利ですよね。ネットで検索すれば有効な情報がたくさん出ていきます。一方で、情報が多すぎて何を基に根拠にすれば良いかわからないこともあると思います。日本国にいる以上は、政府が出しているデータ等が有効です。検索の仕方としては「○○(調べたいワード)site:.go.jp」もしくは「○○(調べたいワード)site:.ac.jp」、「○○(調べたいワード)総研」などが役に立つと思います。審査するのは政府ですので、政府系の情報はしっかり最初に押さえておきましょう!

神のいお告げ

知識は最良の友となる

どんな設備が対象になるの?

具体的には当然わかるはずもないのですが、公明新聞に以下のような記事が掲載されていました。

ここでのポイントは以下になります。

  • ・極力簡単な申請にする
  • ・カタログの中から、選択する

まだ要望段階なので、当然実施されない可能性も十分ありますが、仮に新たに創設された場合は、事業者はカタログの中から必要とする機械を選択し、補助計画を策定していく流れになりそうです。

他の補助金とどう異なるの?

そうなんですよね。私の考察では、【汎用性があるかないか】という点が論点になってくるのではないかと考えています。

以下は現在の設備投資を実施できる補助金について、簡単に表にまとめました。

補助金名導入設備価格帯難易度
持続化補助金専用の機械全般少額★★
ものづくり補助金現事業の革新的な専用の機械全般中~高額★★★★
事業再構築補助金新事業の革新的な専用の機械全般 高額★★★★★
IT補助金事業者専用のITツールのみ少額~中★★★

補助金の性質上、専用品でなければならない点が大前提としてあります。汎用性の高い機械設備である場合は、他の事業や個人用で使用するなどの不正に繋がるためです。

今後、どのような補助金の制度設計になるかは未知ですが、上記の補助金と差別化するのであれば以下のポジションがあると使いやすいと考えられます。

(仮名)省人化・省力化補助金専用機械または、一定の要件を満たした汎用機械少~高★★

なお、価格耐は以下のイメージです。

  • 少額:1万~50万程度
  • 中:50万~500万程度
  • 高:500万~それ以上

基本的には、補助金の性質を踏まえ専用機械をしつつ、一定の条件を満たした汎用機械の導入については可能とすると効果のある補助金になると考察します。

一定の条件を満たしたとは、単純に政府側が一定の要件を満たした機械を事前に準備し、その一覧表から選ぶというだけです。要はカタログですね。

とはいえ、どんな条件で政府が選択するかを考察するのであれば、以下の基準となるのではないでしょうか?

工程やオペレーション上ボトルネックとなっている問題や課題を解決することで、定量比較し作業時間が変化する設備

それらを踏まえて予測する具体的な機械の例は以下です。

無人ロボット系無人製造ロボット
(調理機なども含む)
接客対応ロボット
運搬ロボット
清掃・洗浄ロボット
会計ロボットなど
アシスト設備系IOT・ICT・AI連動設備
CAD・CAM
パワーアシストスーツ
セルフオーダーシステム
スマホオーダーシステム
ドローン
セルフレジ
リモートシステム
センサー系異常検知センサー
自動監視センサー
高性能タイマー
高性能呼び出しセンサー
遠隔操作センサーなど
専用機械全般革新性がなくても、工程やオペレーションの作業時間を短縮できる機械

正直、ここに関しては全くの予測ですので、全然異なる設備カタログが出てくる可能性が高いと考えていますが、大企業では一般的に導入されているような機械が対象になる可能性が高いと考えられます。

金額に関しては、他の補助金との違いを考えると、下限はなく(カタログ価格による)、上限1千万円程度くらいだと予測します。そもそもそれ以上は革新性のある機械が多いと思うので、ものづくり補助金や事業再構築補助金を活用する方が望ましいと考えます。

また、ソフトウェア関連はIT補助金があるため、あくまでもハードウェアに限られると考察されます。

申請書自体が複雑になり、申請がしづらく、即効性が望めないものではあまり意味がないので、IT補助金のようにベンダーを介する必要やミラデジへの登録などは申請のボトルネックになるので、認定支援機関の確認等で進められる内容にすればありがたいと考えます。

一方で、不正の温床にならないように、一定の縛りはあるのかな、と考えます。例えば、支援機関の確認において、5年程度は固定資産台帳の提出義務を課すなどでしょうか。省力化・省人化補助金は、おそらく政府公認のカタログから選択する形であれば、一定の汎用性が認められると考察できるので、転売などがされていないかの確認は厳しくなく調査されると考えられます。

また、重要な点は【目的を決めて】、機械を検索する必要があるということです。おそらく膨大な量の機械群になれば、カタログから選びきれない可能性があります。また、機械ありきでで選択すれば無用の長物になりかねないので、よく事業計画を練ってから導入することをおすすめします。

とはいえ、あくまで予測ですので、予算がつかない可能性もありますし、他の持続化補助金や、ものづくり補助金、事業再構築補助金の別枠で設定される可能性もありますので、今から年末にかけての情報は要注意ですね。

どんな申請書類になるの?

省力化・省人化補助金が仮にあるとして、どんな事業計画や補助計画が求められるのかな?

他の補助金みたいにまた複雑なものだと、計画書書くだけでも一苦労だよなぁ。

と、事業者のみなさんや、支援する側のみなさんの気になるところだと考えます。以前、ご紹介した新聞記事には以下のポイントがありました。

  • 即効性を意識する

全然未知の世界ですが、簡易的なものとするのであれば、小規模事業者持続化補助金レベルの申請書にカタログから選択した設備を基に記載する方法だと考えられます。

経営計画については同じような形に近いのかな、と予測します。

補助計画の、ここで言えば【2、3】についてが以下の内容になると予測します。

  • 省人化・省力化の取り組み内容
  • 賃金アップの取り組み内容

今回は繰り返しになりますが、業務効率化や生産性向上に加えて、労働者の賃金アップが重要になると考えられます。仮に表立って、その内容がなくても、記載することが望ましいと考えられます。物価高に対する策というイメージです。

あくまで予測ですので、当然様式の体裁は変更になりますが、流れは大なり小なり、いつも上記の流れですので、補助計画の内容がどうなるかを意識することが重要です。

具体的にどのような内容に意識するかは、次回の記事で考察します。

不適切な申請についての考察

今回は、補助金全体にいえる注意点について、お伝えします。ここは本当に重要です。

カタログから選ぶという内容もそうですが、申請書自体は他の補助金と比較して、【最初は】簡易的なもの採択されやすいと考えられます。

【最初は】と考えられるのは、過去の小規模事業者持続化補助金が開始されたときから関わっている専門家や、事業者のみなさまなら分かると思いますが、【今は】複雑です。その理由は以下です。

  • 不正や不適切な申請の増加

ほとんどの事業者や、それを支援する側の大半はまじめに経営や支援をしている人たちです。しかしながら、どんな理由であれ、1人でも不正や不適切なことをすれば、現在のネット時代では、あたかも関わっている組織や同じ職種の人間たちが全員悪のように報道されます。

そして、そのたびに以下の対策を国や審査期間は取らざるを得ないんです。

  1. 申請書の高レベル化
  2. 採択後の証拠書類の複雑化

ここについては、他の補助金も含めて重要な前提になるので、少し解説をさせていただきます。

①申請書の高レベル化

皆さんは今の補助金ブームと言っていい流れっていつからかご存じですか?

専門家の方で、中小企業診断士の知識をお持ちの方は知っていると思いますが、歴史を知らない事業者や専門家の方もいると思うので、解説をします。大きなきっかけとなった法律があります。それが以下です。

小規模企業振興基本法

ちなみに、中小企業診断士の方で忘れている方は、中小企業経営・政策で中小企業白書と並んで、出題されていたものです。4つの目標と12の方針って、暗記した記憶ありますよね。

※中小企業庁資料より

平成26年の6月に公布されました。概ね5年置きに改正されます。主な内容は上記のとおりなのですが、この法律が制定された、平成26年に記念すべき第1回の小規模事業者持続化補助金が開始されています。

その後はご存じのとおり、いろいろな補助金が多く今までに開始されており、減少するどころか、その数は増え続けています。

小規模事業者持続化補助金については、効果もあり、年々計画策定数も伸び続けました。今では信じられないかもしれませんが、開始当初は1枚で数行の記載で採択をされていたんです。一方で、認知度が上がりと、一定数の悪いことを考える事業者や支援者が、いつの時代も現れます。

  • 申請競合の増加
  • 申請の縛りの強化

認知度が上がり、採択は採点方式であるため、競合が増えればより科学的でロジカルな効果のある計画書の点数が高くなります。また、不正が発生するたびに、条件が追加されていきました。結果的に、それらは他の補助金にも適用され、どんどん複雑化し、今では申請書の高レベル化をもたらし、本来の目的を持った事業者にとって使いづらくなりました。

普通に考えて、日々、作業員としても従事しながら経営全般を見ている中小・小規模事業者に、今のレベルの各種補助金について、何十ページとある要領を見て、適正に申請することができるでしょうか?

②採択後の証拠書類の複雑化

仕事柄、補助金の証拠書類を審査しますが、事業者や専門家の方たちは、採択ばかりに気を取られている人も一定いることが、トラブルを引き起こす要因となることがしばしばあります。ご存じのとおり、補助金は採択されて終わりではありません。適正に実行されて初めて、補助金が入金されます。補助金は最初に入る訳ではないんです。

採択まで支援したから、あとの実行は支援機関や事業者自身でしてください。

というのは無責任ですし、伴走型支援のルールからも外れます。たびたび問題となることは、「採択されたから=補助金が全額入る」と思っている事業者や無責任な専門家がいることです。正直な話、私の肌感覚では、計画書を策定するのに長けた専門家はいても、申請後の証拠書類の意味経済産業省のマニュアルを100%把握して、支援している専門家は少ないように感じます。

結果的に、前段で述べた【不正による条件の厳格化】に加え、【不適切な実行】が、採択後の証拠書類の複雑化を招いています。

でも、なんで複雑にする必要があるの?

答えは簡単です。証拠書類を増やせば増やすほど、トラブルや不正が発生しにくくなるからです。しかし、一方で補助金のハードルは上がっている負のループが生じているんです。

補助金ブームと騒がれる中、【本来の目的】を見失っているのかもしれません。

以上の理由から、仮に令和5年度補正にて、省力化・省人化補助金が開始されたとしても、また同じ繰り返しになれば、【最初は】簡易的なもので、採択されやすいと考えられます。

そうならないためにも、再度繰り返しになりますが、補助金の【本来の目的】を、事業者や支援する側は、原点に立ち戻って考えなければならないと時が来ているのかもしれません。

その他、補助金の申請についての参考は【補助金適正化法】というものがあります。

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令 | e-Gov法令検索

また、細かい経理処理の基準などについては【補助事業事務処理マニュアル】というものがあります。

110208AP-M.pdf (meti.go.jp)

読み込まないと分かりにくいかもしれませんが、これらについては今後、解説記事をアップする予定です。

あとは、その他にこんなやりとりも考える必要があります。

設備を入れることが目的になっていませんか?

よく支援する現場にて、私が関わる事業者さんへこんな話をします。もちろん気持ちは分かりますし、老朽化した機械を最新のものに替えたいというのが本音なことも知っています。ただし、違いますよ。設備を入れることは【手段】なんです。

ここについては支援している専門家や、支援機関のみなさんにも強く言いたい。

今支援している姿勢って、本当に正しいんですか?

現実を知るあまり、「現実はこうだから、理想論を言う人間は現場を知らない人間だよ!」という言葉や「世の中そういうもんよ!」などの言葉。

もうやめませんか?常態化した異常な状態が当たり前になってませんか?

例えば証拠書類が間違っていたら、修正をするように事務局から指導が来て、修正しました。

この行為自体、異常だと思いませんか?

そもそも出した証拠書類が全てです。その後修正するなんてありえないのが、当たり前なんじゃないでしょうか。つまり、証拠書類が不適切であれば、補助金は下りないで終了なのが本来普通なんです。それを、細かく優しく、適正に導いている。日本という国自体が本来とても優しくも異常な状態だと気づいていますか?

と、最初に厳しいことを申し上げて申し訳ございません。何が言いたいかというと、今の普通と思っていることを表に言葉に出す前に、一端飲み込んで、考察して欲しいということです。慣習上そうだとか、先輩から言われたとか、一度疑って欲し。そうでないと、その延長線上に悪気のない不正も起こるかもしれないんです。

ここらへんの内容については、察して欲しい。真面目な人間が真面目に評価されるべきだと思います。

モモ

なんで不正が起こるのかな?

セバスちゃん

そのたびに、締め付けがきつくなるんだ

【Columb】商工会の存在意義

商工会に関わった事業所や専門家の方たちは商工会は中小・小規模事業者の支援をする利益を求めない団体だという理解を知っています。商工会は特別許認可法人であり、そこで働いている職員は、そのほとんどが県の補助金で賄われています。職員たちは日々、一生懸命、経営改善普及事業という経営全般の手助けをしています。また、現場の直接的な指導に加えて、先に説明したような小規模振興基本法の策定などにも大きく貢献しています。現場の職員たちが一生懸命、商工業者のためにつくし、その成果が評価され、国が現在のたくさんの補助金を準備して頂いているのも事実です。それら、たくさんの苦労がある中、不正などが起きれば、たった1つでも、大きな損害を招くことになる。【真面目すぎるくらい真面目が一番】。変なやり方を身に着けている人がいれば、正々堂々と、同じフィールドで勝負しませんか?また、支援機関も、現在の先輩から引き継がれている慣習や、常態化されている正常と思っている異常がもしあるのなら、勇気を持って変えていくことも重要なのかもしれません。

神のお告げ

あたり前を疑うことで道は開ける

【代理申請の闇】事業再構築補助金【申請依頼の前に】 代理申請してた支援機関の審査が対象外になったみたい 事情があって、うちのパソコンから申請することあるんだけどなぁ と、不安...

申請書の切り口の考察

もう一度、今回の補助金のポイントについて以下に予測します。

  • 省人化・省力化による業務効率化
  • 賃金アップ

おそらく、表向きは業務効率化や生産性向上という段階からスタートすると思いますが、本来の目的は現在の物価高や30年以上変化していない賃金に対する施策です。

つまり、ここを理解せずに、省力化・省人化の設備投資の計画書を展開すれば、機械導入による効率化の一貫として、極端な話、リストラが生じます。これだと本末転倒です。

  • 業務効率化
  • 生産性向上
  • 売上を上げる策
  • 付加価値を上げる策

これらを意識しなければならないと考察します。目的が賃金アップにつなげるならば、業務効率化や生産性向上だけではダメです。売上や付加価値(営業利益+人件費+減価償却費)の底上げをしないと、算式の観点からみても破綻しますので、よく考える必要があります。

これらを踏まえて、まずは、省人化・省力化という意味について、押さえておきます。

省人化・省力化の違いは、端的に言うと、省人化は人を完全に省く自動化、省力化は人を省かずに手間や労力を省くこととなります。

この前提を踏まえて、省人化・省力化補助金を支援するポイントは以下です。

  1. 業務フローの明確化
  2. ECRSの法則を活用
  3. 人は減らさず、売上や付加価値を上げる

①業務フローの明確化

省人化・省力化については、商工業に関わらず、自社の業務フローを精査し、どこに【ボトルネック】があるかを確認し、問題点や課題点を発見する必要があります。そのためには、まずは業務フローを明確化する支援が必要と考えます。

あまり難しく考えずに、日々の業務を書き出すことで、どこにムダ・ムリ・ムラがあるかが発見できますので、ここが第一歩です。

ボトルネック分析

ボトルネックは、瓶などのクビの細くなった部分のことを指します。ペットボトルでも良いですが、水を入れて、逆さにしたときに、一気に水は流れません。このように、全体の業務フローの中で、停止や滞留等している問題のある箇所を指します。まずは、ボトルネックを分析することで、戦略につなげます。

②ECRSの法則を活用

ECRSの法則は日常でも使える切り口です。簡単にいうと以下の流れとなります。

  • 【な】くせないか?
  • 【い】っしょにできないか?
  • 【じゅ】ん番を変えられないか?
  • 【か】んたんにできないか?

中小企業診断士試験の受験生時代に【ないじゅか(内需化)】の語呂合わせで暗記したことを覚えています。重要な点は、上から優先度(効果)が高く、下に行くほど優先度(効果)が低いということです。

ボトルネックが分かったら、省人化・省力化補助金を、【人を減らさずに】考えると以下の切り口があります。

前提として、今回は人を中心に置きます。人がどう動き、作業時間がどう変化するかが重要です。

最も優先度の高い切り口は、ムダムリムラを機械を導入することで【なくせないか?】という観点です。まずはここで策が取れないかを検討します。なくなった工程の人員を他の工程に配置することで、稼働率の底上げをし、全体最適を図ります。完全に人を省き、自動化しますので、省人化です。この手法が最も作業時間の短縮につながります。

次に優先度が高い切り口が、【一緒にできないか?】という観点です。機械を導入し、工程を一緒にすることで業務の効率化を図ります。これは、手間や作業の効率化ですので、省力化になります。2人分効率化した部分を他の工程にあてることで、全体の稼働率アップを図ります。優先度は比較的高く、作業時間の短縮化につながります。

続いて、【順番を変えられないか?】です。もしくは、【別の代替するもの】を機械導入によって検討します。この切り口では、ある程度の【Method(手法)】にも重きを置く必要がありますので、やや難易度は上がります。今までの切り口と異なり、劇的な省力化にはなりませんが、全体では作業効率化を図ることが可能です。

最後に、【簡単にできないか?】です。優先度としては最も低いのですが、中小・小規模事業者の実態としては、このパターンが一番多いかもしれません。あくまでボトルネックとなっている工程の部分について、作業効率化を図るというものです。

この【ECRSの法則】、ぜひ実務で活用してみてください!

③人は減らさず、売上や付加価値を上げる

省人化・省力化だけでは作業効率化や生産性の向上が見込めるだけであり、そもそもの受注数や売上を上げなければ、人件費の増加にはつながりません。つまり、元々の売上を上げる策については補助金上求められていなくても、4Pなどの実行策を用いて、提案実行する必要があります。

ここの意味については、再度読者のみなさまでこの構造式とにらめっこして、考察していただければ幸いです。

ここまで、省人化・省力化補助金の予想について、記事を執筆しました。

最後に、11月9日に日刊新聞にて、詳細が掲載されていますので、ご紹介します。

まだこれから、審議が始まりますが、来年度に向けて、専門家や支援機関は講習会等の事業計画に入れておくと、いいかもしれませんね。

まとめ

【次に来る補助金はこれだ!】令和5年度補正予算案【省人・省力化補助金】まとめ版いかがだったでしょうか?

毎年、来年度の予測をしておくスキルを身に着けたい!という専門家や経営者の方のお役に立てれば幸いです。

この記事を読んで少しでもお役に立った方がいらしゃればTwitterにも登録して頂くと、記事を更新した時にお知らせしますので、今後も「志」ともに、一緒に学んでいけると幸いです。

それでは、次の記事でお会いしましょう!今回も読んで頂き本当にありがとうございました。

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