「・・・今年も不合格だった。」
「もう中小企業診断士試験やめようかな・・・」
と、お悩みの受講生のみなさん、その気持ちはあなただけではありません!
恥ずかしい話、私も3回挑戦し、何度もあきらめようと考えました。
でも、立ち上がらなきゃ!
今回は、私が3年間に渡って挑戦した体験談の2年目をお伝えします。
- 2年目の結果
- 2年目の戦略
- 2年目の検証
成功体験を聞くことも重要ですが、失敗の内容を知ることで、反面教師にして頂ければ幸いです!
こんにちわ!中小企業診断士のグレート☆セバスチャンと申します。私のプロフィールは、こちらへ。
2年目の失敗
お話をする前に、2年目の状況を説明します。
- 2019年度試験(2年目)
- TACのDVD通信講座
- 過去問マスター
私が挑戦した2年目は「2019年度試験」。全体の合格率が過去最高の30.2%をマークした年です。
教材はTACのDVD通信講座を引き続き使用。過去問の強化のために「過去問マスター」を活用しました。
それでは、さっそく解説に移ります。
2年目の失敗
2年目の取組み
まずは、2年目の戦略について解説します。
1.勉強環境
当時の私の環境は以下です。
- 車通勤:片道1時間30分
- 平日:早朝・夜の1時間程度可能
- 土日:基本的に休み
- 交通事故のリハビリ
- プロジェクトの責任者になる
①~③は1年目と同じですが、帰宅中にトラックに追突されまして、重度のむち打ちを患うことになりました。
また、この年、ベテランの相棒が退職して、私がそこの責任者へ。とにかく、昨年より勉強に当てる時間が少ななった状況です。
最も大きな問題は・・・
肥満+10キロ
「試験勉強と関係なくないか?」
とツッコミが入りそうですが、試験中にお腹の贅肉が気になって仕方がありませんでした。風邪もひきやすいなどと体調も芳しくない、という状態。原因は試験勉強に特化するあまり、運動が一切できていない上に、ストレスで暴飲暴食していたことです。
2年目は、リハビリと体調管理をしながら試験合格を目指す必要がありました。
2.前提知識
2019年度の中小企業診断士試験は以下の状況です。
- 企業経営理論・科目免除
- 経営情報システム・科目免除
- 中小企業経営政策合格・科目免除
- 全科目一通り知識あり
事故のリハビリや、一生に一度のプロジェクトが立ち上がるなど、心身ともに余裕がなかったため、年内は目の前の仕事に集中し、年明けから「残り4科目受験」で合格を目指すことにしました。
3.戦略
自分の状況を検討し、以下を戦略としました。
- 1年目の繰り返し
- 過去問マスター
- 実務活用術
- 肉体改造
①1年目の繰り返し
- DVD視聴
- 財務会計・経済学は別枠
- 3サイクルログ方式
年内は通勤のDVD視聴のみ。年明けの1月から本格的に始めました。1年目の具体的な内容は以下に、記事をまとめています。
②過去問マスター
残りの受験科目は以下の4つです。
- 経済学
- 財務会計
- 運営管理
- 経営法務
昨年は、TACの教材のみで対応し前提知識は備わっていることから、過去問マスターで10年分をやりこむことにしました。具体的には以下の教材です。
やり方は1年目でお伝えした「3サイクルログ方式」です。1月からの勉強再開となりましたが、思い出すのに時間はかかりませんでした。TACを1年目しっかりやった効果だと思います。
③実務活用術
皆さんは仕事で知識を積極的に活用していますか?
私の記事を読んで頂いている読者のみなさまに、ここは本当にお伝えしたい!
私は職場のデスクにTACの教科書を常に置いて、事業者への提案の際に、何か使える知識がないかを、常日頃からアウトプットするようにしました。これは、本当に役に立ちます!
例えば、事業者支援で以下のように提案するので、この内容に合わせて知識を使用する流れです。
- 事業概要
- 経営理念
- 外部環境の機会
- 内部資源の強み
- 課題の抽出
- 戦略の決定
- 課題解決のための実行策
- 効果の目標
- スケジューリング
以下に、簡単に活用した実務上の知識をまとめました。
診断と助言のフロー | 活用する分野 | 具体例 |
経営理念 | 企業経営理論 | 企業ドメイン・ポートフォリオ・MVV |
外部環境の機会 | 企業経営理論 経済学 経営法務 中小企業経営政策 | PEST マクロ経済学 制度改正 政策 |
内部資源の強み | 経済学 企業経営理論 財務会計 | ミクロ経済学 SWOT分析・3C・5F・VRIO 経営分析 |
課題の抽出 戦略の決定 | 運営管理 企業経営理論 | ボトルネック・QC7つ道具 STP・PPM アンゾフ・ポーター 事業ドメインの設定 |
課題解決のための実行策 | 企業経営理論 運営管理 経営法務 経営情報システム 中小企業経営政策 | PDCAサイクル QCD 4P 5S ECRS RFM AISAS 就業規則 システム構築 各種補助金・マル経(融資制度) |
効果の目標 | 運営管理 財務会計 | 原価計算 回収期間法・DCF |
スケジューリング | 運営管理 経営情報システム | 大日程・中日程・小日程 システム構築フェーズ |
とりあえず、実務で私が活用して思いついたものを記載しました。この勉強法を、「実践型勉強法(仮)」と名付けます!笑。
この詳細は、別記事で書く予定です。共感頂ける方は、上記の表のワードを以下に置きますので、ご自身で現在の勉強内容を記載していくと、地図になりますので、是非ご活用ください。
資格を取ることが目的になってた
「診断と助言」能力を得るのが目的だ!
④肉体改造
中小企業診断士試験を突破するのに重要なことは知識以外に「モチベーション管理」。私のモチベーションが下がっていた原因は以下です。
- ・不合格
- ・体重増加
- ・事故によるリハビリ
私が8月の試験を終えて、取った行動は、勉強を辞めたことです。優先順位を見直し、まずは目の前のことに集中することにしました。
まずは事故によるリハビリに専念したのが2カ月、残り2カ月で仕事以外の時間は肉体改造に着手しました。勉強時間は通勤中のDVD視聴と、ジョギング中の音声視聴のみ。
結果的に12月までに10キロ減と筋肉がついたことで、むち打ちの後遺症も克服でき、風邪も引かなくなりました。年内に心身ともに、モチベーションを回復。
4.スケジュール
今まで立てた戦略を基に以下の日程を計画しました。
- 月間日程
- 週間日程
- 当日
具体的に、どのように計画したかを以下で解説します。
①月間日程
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 |
閑散 | 繁忙 | 繁忙 | 超繁忙 | 超繁忙 | 繁忙 | 閑散 |
運営 管理 | 経営 法務 | 復習 2科目 | 復習 2科目 | 復習 2科目 | 復習 2科目 | 総括 全科目 |
経済 週1 | 経済 週1 | 経済 週1 | 経済 週1 | 経済 週1 | 経済 週1 | 経済 週1 |
財務 週1 | 財務 週1 | 財務 週1 | 財務 週1 | 財務 週1 | 財務 週1 | 財務 週1 |
復習 3回転 | 復習 3回転 | 復習 3回転 | 復習 3回転 | 復習 3回転 | 復習 3回転 | 復習 3回転 |
1年目と同じ計画ですが、残り4科目ですので、ゆとりがあったのは事実です。とにかく、過去問マスターを中心に3回転どころか5回転やりきりました。
②週間日程
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 |
運営管理① 朝・1回目 | 運営管理② 朝・1回目 | 運営管理③ 朝・1回目 | 運営管理① 朝・3回目 | 予備日 朝・復習 | 運営管理③ 朝・3回目 | 財務会計 演習 |
経済学 財務会計 昼休み | 経済学 財務会計 昼休み | 経済学 財務会計 昼休み | 経済学 財務会計 昼休み | 経済学 財務会計 昼休み | 運営管理 ①・②・③ 総復習 | 進捗状況 確認 対策 |
DVD視聴 通勤時 | DVD視聴 通勤時 | DVD視聴 通勤時 | DVD視聴 通勤時 | DVD視聴 通勤時 | 経済学 演習 | フリー |
運営管理① 夜・2回目 | 運営管理② 夜・2回目 | 運営管理③ 夜・2回目 | 運営管理② 夜・3回目 | 夜 フリー | 夜 フリー |
週間日程はこんな感じ、科目が少なくなったので、回転数は増えています。繰り返しになりますが、「経済学」と「財務会計」は別枠にしています。
③当日の戦略
【1日目】
1.経済学
戦略 | 備考 |
①確実に解けそうな問題にマークをする | |
②必須15問(60点)にしぼる | 2分30秒/問 |
③残り10問を解く | 2分/問 |
④初見で難しいものは捨てる | 迷わずウを選択 |
去年は守りすぎたので、今年はまず確実に合格ラインの問題数を解くことにしました。
2.財務会計
戦略 | 備考 |
①確実に解けそうな問題にマークをする | |
②必須15問(60点)にしぼる | 2分30秒/問 |
③残りは1問でも2問でも加点を狙う | |
④計算処理に時間がかかるものは後に回す | |
⑤難問は解かない | 迷わずウを選択 |
落ち着いて時間をたくさんかければ解ける問題が多数あることは昨年の経験からわかりました。
しかし、簡単な問題でも、計算の工数が多かったり、処理に時間のかかるものは、後回しにし、時間に余力が出た時点で取り掛かるようにしました。
3.企業経営理論
科目免除
運営管理の見直しに全集中。
4.運営管理
戦略 | 備考 |
①店舗運営管理から解く | |
②生産管理を解く | |
③時間のかかる「計算問題」は後 | |
④余裕があれば店舗運営管理を見直す | 高得点を狙う |
生産管理が難化傾向ですので、まずは店舗運営管理から確実に解いて、モチベーションを上げてから、生産管理に取り掛かる作戦にしました。
【2日目】
5.経営法務
戦略 | 備考 |
①順番通りに解く | |
②解らなくても常識的な判断で解ける問題を見抜く | |
③難化した場合は、確実なところだけを解く。 | |
④難問・奇問は解かない | 迷わずアを選択 |
経営法務はトラウマから苦手意識から抜け出せていません。ただ、やれることはやりつくしたので、順番に解くだけです。
6.経営情報システム
科目免除
7.中小企業経営政策
科目免除
なお、選択肢に関する統計データは以前まとめていますので、参考にしてください。
結果
2年目の自己採点の試験結果は以下です。
経済学 | 76点 | 合格 |
財務会計 | 60点 | 合格 |
企業経営理論 | – | 免除 |
運営管理 | 65点 | 合格 |
経営法務 | 40点 | 不合格 |
経営情報システム | – | 免除 |
中小企業経営政策 | – | 免除 |
合計 | 241点 | マーク転記ミスで不合格 |
経営法務を採点した時、確実に昨年より手ごたえがあったのですが、まさかの40点ぎりぎり。採点中にドキドキが止まりませんでした。とはいえ、自己採点ではぎりぎりの合格であり、周りに合格した旨を伝えていたんです。
しかし、1カ月後・・・なんと合格通知がこなかった。
- 財務会計 不合格
- 経営法務 不合格
試験問題には、あとで確実に採点ができるように細心の注意を払い、〇印を付けていました。つまり、財務会計が不合格ということは、マークシート転記ミスです。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、穴があったら入りたいとはこのことだと痛感したことを覚えています。
検証
メンタルを整え、再試験をしてみました。ルールは以下です。
- 時間無制限
- 落ちついてベストな環境
このルールでの再試験の結果は以下です。
経済学 | 84点 | 合格 |
財務会計 | 72点 | 合格 |
企業経営理論 | – | 免除 |
運営管理 | 68点 | 合格 |
経営法務 | 52点 | 不合格 |
経営情報システム | – | 免除 |
中小企業経営政策 | – | 免除 |
合計 | 276点 | 合格・平均69.0点 |
①経済学
経済学はさすがに得意科目になってきたと実感しました。難問であっても、グラフや図と法則の原理原則が分かれば、解答にあまりブレがなくなることに気づきました。視覚化されたものの読み解きのコツがわかった感じです。
この年の経済学の合格率も安定しているイメージです。もう苦手意識も克服でき、問題なしの合格でした。
②財務・会計
一番の問題はやはり計算ミス。記載した内容をみると、途中で処理を間違えている問題が散見。さらに検証するとその時思い浮かんだ解法について少し不安があった問題を特に計算処理で間違っています。
あとは、問1の計算問題に時間がかかりすぎて焦っていたことも問題でした。焦りの積み重ねが「転記ミス」を誘発したのは間違いありません。
本番の緊張感の中70点以上取れる実力で60点代に収まる感覚が必要だと思いました。
昨年度の合格率が悪かったため、2019年は易化。しかし財務会計は、計算処理能力を高めることと、解法に戸惑わないよう、繰り返して、2次試験問題も解くことが重要だと感じました。
③企業経営理論
科目合格免除。
企業経営理論は難化傾向が続いています。昨年、合格できたということは、得意科目の分類だと考えられます。
④運営管理
引き続き生産管理がかなり難化傾向ですが、店舗運営管理を優先し、見直しをしたことで、8割近くの回答率がありました。生産管理が半分程度の回答率でも、60点を超えるので、戦略的に吉だったと思います。
正直いうと、来年度の合格率を見てゾッとします。この年に合格していて良かった。生産管理だけでなく、店舗運営管理も難化したら、まさしく地雷ですね。
⑤経営法務
100%の苦手科目認定。再試験結果も合格には到達できず。
暗記試験という思い込みがあって、昨年の失敗についても暗記が足りなかったというスタンスで臨んだため、正答に到達できていませんでした。
また、前年の参考書で勉強したために、著作権法の年数変化や、その他の民法の論点をことごとく落としているという事実。
経営法務は「1問4点」。見落し、破壊力が半端ないです。あとは当日はなぜか、解けたと思い、時間があるにも関わらず一切見直ししなかったことも敗因の原因です。
まさしく経営法務は、全受験生にとってトラウマ級の底辺合格率地帯です。どう対策をすればいいのか、この時はもうパニックしかありませんでした。
⑥経営情報システム
科目免除
少なくとも私が受験した3年間は、ただの暗記問題で得点源になる科目だったようです。
⑦中小企業経営政策
科目免除
この年の合格率の低さに驚愕しました。職業柄、得意科目になるので、この年の問題を解きましたが60点代でした。なので、やはりどんなに難化しても、この科目が全体の足を引っ張ることはないと確信しました。
⑧総括
財務会計は光が見えましたが、経営法務だけがどうしても、出口が見えません。3年目はどうしようか・・・
この年は記念すべき年です。なんと全体の合格率が初めて、30%代になりました。これは明らかに国の政策的な意図が読み取れます。その後も高水準を概ね維持しているので、中小企業診断士試験がチャンスであるのは間違い内容です。
ただし、科目合格者には厳しい環境であることは事実だと、その時は、さらにモチベーションが下がったことを覚えています。
突然ですが、みなさんの「中小企業診断士試験に合格する目的はなんですか?」この問いに即答できなければ、それは中小企業診断士試験に合格すること事態が目的になっています。答えは、自分一人で事業者に対して、「診断と助言」ができるようになることです。合格することは、「診断と助言」ができるようになるための「手段」です。目的と手段を間違えていれば、合格しても、名刺に資格があるだけの「名ばかり診断士」になる、ということです。厳しいことを言って申し訳ございませんが、中小企業診断士を取得した後に、使えないと言っている残念なSNSコメントを多く見るのは、そもそも試験勉強のゴールの意識が根本的に異なっているからです。診断と助言という実務能力があって、そこに国からのライセンスがある、この2つの状態を作って初めて、中小企業診断士なんです。どちらが欠けてもダメなんです。私が試験期間中に考え付いた「実践型勉強法」について、いつか記事にしたいと思います。まずは、ご報告まで。
目的と手段の本当の意味を知る
まとめ
今回は【2年目の失敗】中小企業診断士1次試験試験【実体験の検証】について解説しました。
いきなり勉強を開始する気持ちもわかります。しかし、スケジュール管理や、戦略を考える時間も大事です。それを考えるのが、中小企業診断士なのだから。
あなたを中小企業診断士にしたい!
最後に、本のご紹介をします。私の勉強法である「実践型勉強法」の参考にしたものです。
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