突然ですが──

あなたは生成AI、もう使い始めていますか?
正直なところ、使っている人と使っていない人の業務スピードには、すでに大きな差が生まれています。
しかし私の周りでも、まだ活用していない方が多いのが現実です。

その理由の一つが、スイッチングコスト
これは、今までのやり方に投資してきた時間や労力、経験を変えるときにかかる心理的コストのことです。
特にベテランであればあるほど、自分の経験ややり方を信じて変えようとしない、この「感情的スイッチングコスト」が高くなりがちです。
ですが、この壁を乗り越えなければ、どんどん遅れを取ることになります。

今回は、経営現場で実践できる「使う側になるための仕組み化」について、プロンプト設計の法則その前に、Markdown活用について解説します。



中小企業診断士になる

中小企業診断士ネットde養成校は、スタディングと提携しています。

これからは「使う側」と「使われる側」に分かれる

生成AIの進化スピードは、従来のITツールの比ではありません。
そのため、AIを使いこなすスキルを持つ人と、持たない人の間には、短期間で大きな成果格差が生まれます。

  • 使う側:AIを活用して業務効率化・意思決定支援を行い、生産性を飛躍的に高める人
  • 使われる側AIに置き換えられ、価値提供の場を失っていく人

この境界線を分けるのが、プロンプト設計の技術です。

Sebastian

あなたはどっち?

マネジメント層が身につけるべき「仕組み化」の技術

プロンプト設計は「上手な質問をする」だけでは不十分です。
重要なのは、チームで再現できる形にすること=仕組み化です

そこで役立つのが、私が実務で活用している【7+1の法則】です。この法則を学ぶことで、あなたの思考は生成AIとシームレスに結びつき、まるで脳そのものがAIとのハイブリッド進化を遂げるような感覚を得られるでしょう。

例えば、経営会議の議題整理に7+1法則を適用すれば、必要な情報が漏れなく整理され、AIから返ってくる提案の質とスピードが飛躍的に向上します。また、営業戦略立案や人材育成計画の作成でも、同じ構造を当てはめることで、担当者ごとにブレない指示書や計画書を迅速に作成でき、チーム全体の意思決定が加速します。

精度を劇的に上げる「Markdown記法」

先日、職員向けセミナーを行った際に、「プロンプト構造の話の前に、そもそも#や-などの記号って何ですか?」という質問を受けました。

その時は説明を省略してしまい、後から振り返って“まずそこから解説すべきだった”と反省しました。本節では、その反省を踏まえ、記号の意味から丁寧に解説します。

プロンプトの質をさらに上げるテクニックとして、Markdown記法があります。

Sebastian

AIと会話。

Markdownが有効な理由

  • 構造が明確になる(見出しでテーマを区切れる)
  • 優先度を伝えやすい(太字や箇条書きで強調)
  • AIが文脈を誤解しにくい(情報を整理して提示できる)

例:通常テキスト

市場分析と新製品案のメリットデメリットを出してください。
予算は100万円、期限は3ヶ月です。

例:Markdown形式

#市場分析
- 現状の市場規模
- 成長予測

# 新製品案
- メリット
- デメリット

**条件**
- 予算:100万円
- 期限:3ヶ月

主なMarkdown記号と意味

  • #(シャープ):見出しを作る記号。1つの「#」は大見出し(H1)、2つの「##」は中見出し(H2)というように、数が増えるほど階層が下がります。例:「## 市場分析」とすれば、その下に市場分析に関する情報がまとまります。
  • *(アスタリスク):強調を表す記号。1つで囲むと斜体(イタリック)、2つで囲むと太字(ボールド)になります。実務では、優先度や重要度をはっきり示すために太字(**)の使用を推奨します。
  • -(ハイフン):箇条書きを作る記号。行頭に「-(半角)+半角スペース」を置くと1項目になります。サブ項目は2〜4個の半角スペースでインデントして階層化可能。番号付きリストは「1. 」「2. 」…で表記します。

例(箇条書き):

- フルーツ
  - りんご
  - みかん
- 野菜
  - にんじん
  - ほうれん草

上記のように、メイン項目の下に空白を入れてインデントすると、サブ項目として階層化できます。
例(番号付きリスト):

1. 朝のルーティン
2. 会議
3. 資料作成
4. 報告

番号とピリオドの後に半角スペースを入れると、自動的に番号付きのリストとして認識されます。

これらの記号はMarkdownの一般的な記法として世界的に使われています。太字は視覚的インパクトが強く、AIにも人間にも優先度の高さを明確に伝えやすくなります。箇条書きを使えばAIは項目ごとに検討・回答しやすくなり、漏れや順番の誤解を防ぐことができます。

もっとわかりやすく言うなら、Markdown形式で指示しないのは、人間の世界でいうと段落も見出しもなく、改行もせずに延々と話し続ける会議や、章立てのない本を読ませるようなものです。

聞く側・読む側は途中で混乱し、重要なポイントを見落とす可能性が高まります。こうした記法を使えば、AIは文章の区切りや重要度を理解しやすくなり、読者も情報を一目で把握できます。

なお、全ての指示を下記に示す「Markdown記法」と言っているのではなく、日常の対話や壁打ちは、いつもの会話調で大丈夫。あくまで、あなたが、あなた自身やチームをマネジメントするための「設計」を行う時に活用するという意味です。

Sebastian

マネジメント視点!

実践例:文書作成プロンプト

実務での例として、通知文書作成のプロンプトを見てみましょう。本日は、具体的な”7+1法則”ではなく、どのように生成AIと会話をしているかを覚えてください!

プロンプト例

#前提条件
- いつ?:令和7年10月1日

- 文書名:事務連絡
**制約**:「その他」の場合は空白とすること。

- 発信者:○○商工会連合会 会長 ○○

- 対象者:各商工会 ご担当者 様

- 方法:電子媒体

- 目的:業務内容の周知

- 背景:新制度施行に伴う業務変更

- 成果:円滑な情報共有

#表現の装飾
- スタイル:信頼感・明快
- 語調:ビジネス

→ このように条件を整理してAIに渡すと、1回で完成度の高い文書が得られます。

人間だったらどう解釈するか?

「令和7年10月1日に発信する事務連絡を作るんだな。宛先は各商工会のご担当者様で、発信者は○○商工会連合会の会長。配布方法は電子媒体で、目的は新制度施行による業務変更の周知。文章は信頼感と明快さを重視し、ビジネス調で書く必要がある。最終的には業務が円滑に進むような内容に仕上げることが求められている。」

Markdown形式でなかった場合に起こりやすい戸惑いパターン

  • 「えっ…これ全部ひと続き?どこから重要な話が始まってるの?」と、見出しがないせいで内容の優先度がわからず、頭の中で整理するのに時間がかかる。
  • 条件や項目が長い文章に埋もれてしまい、「あれ?さっきの条件どこだっけ?」と何度もスクロールや読み返しが必要になる。
  • 「で、これ…誰に向けた話?私?他の部署?」と、途中まで読まないと対象がわからず、すぐに動き出せない。
  • 指示の順番や優先度が曖昧で、「これ先にやるべき?それとも後?」と判断に迷い、やり直しや確認が増える。
  • 長文に目的や背景が埋もれて、「結局この仕事、何のためにやるんだっけ…?」とモチベーションも理解度も下がる。

今日のまとめ

今回の記事では、職員向けセミナーで「そもそも#や-などの記号って何?」と質問された経験や、その反省も踏まえて、法則の前に押さえるべきMarkdownの基本から解説しました。

  1. 生成AIは「使う側」になることが生き残りの条件
  2. マネジメント層はプロンプトを仕組み化する必要がある
  3. そのカギの1つMarkdown

この組み合わせは、経営会議の資料作成から日常業務の通知文書まで、あらゆるビジネスシーンで活用可能です。

次回の記事では、この7+1法則をSNS運用に応用する方法をご紹介します。


💬 あなたの職場で一番大きなスイッチングコストは何ですか?
ぜひコメントで教えてください。




中小企業診断士になる

中小企業診断士ネットde養成校は、スタディングと提携しています。

ABOUT ME
Great Sebastian
GSS 代表 セバスチャン 専門分野(店舗管理/店内製造/衛生管理/管理会計/景況調査/補助金審査/DX業務効率化) 資格(中小企業診断士・第一種衛生管理者・調理師・その他(FP/簿記/販売士)