突然ですが・・・
「制度会計と管理会計の違いって、結局なに?」
「財務って聞くだけで苦手意識がある」
…そんな方も多いのではないでしょうか?
おはようございます。経営指導員&中小企業診断士のセバスチャンです。
今回の解説は、そんなお悩みについて、実際の経営支援現場に20年以上携わり、年間100件以上の事業者支援を実施している私の経験を基に、わかりやすく解説します。
この解説を学べば、「理論」と「実務」のつながりが一気に見えてきます!
ウォームアップ:理解度チェック5問
問題1|制度会計と管理会計の目的の違いは?
A. どちらも税務申告のためにある
B. 制度会計は外部報告、管理会計は内部意思決定支援
C. 管理会計は決算報告のために行う
→解答:B| 制度会計は財務諸表を通じた外部開示が目的。管理会計は経営者の意思決定を助ける内部資料です。
問題2|制度会計で必要となる原則は?
A. 損益分岐点分析
B. 財務諸表原則
C. マーケティング戦略
→解答:B| 制度会計は企業会計原則や会社法、税法に準拠する必要があります。
問題3|管理会計でよく使われる指標はどれ?
A. 流動比率
B. 自己資本比率
C. 損益分岐点比率
→解答:C| 管理会計は固定費・変動費の分解をもとに、経営判断に活かす損益分岐点分析などを行います。
問題4|過去問類似:管理会計の特徴として誤っているものは?
A. 将来志向の情報を扱う
B. 定量情報に限る
C. 特定の法的制約を受けない
→解答:B| 管理会計では、定性的な情報も重視されます。
問題5|実務的な管理会計の使い方は?
A. 貸借対照表の開示資料を作成
B. 商品別粗利ランキングを作成
C. 決算公告文を印刷
→解答:B| 商品ごとの収益性分析は、販売戦略や棚割りに直結する管理会計の重要な活用例です。
試験で問われるポイントまとめ
- 制度会計は「対外報告」が目的で、ルールに基づいた形式重視
- 管理会計は「社内の意思決定支援」が目的で、柔軟な形式と将来志向
- 試験では「目的」「対象」「主な使用者」「主な手法」の違いが問われやすい
財務会計を俯瞰する!
「制度会計と管理会計」とは何か?
当たり前のことを、当たり前に定着させることが重要です。
| 区分 | 制度会計 | 管理会計 |
|---|---|---|
| 目的 | 法的・外部報告 | 経営判断の支援 |
| 主な使用者 | 投資家・金融機関・税務署等 | 経営者・部門責任者 |
| 性格 | 過去志向・客観重視 | 将来志向・柔軟性あり |
| 主な内容 | 貸借対照表・損益計算書など | 損益分岐点分析・予実管理・原価計算など |
「制度会計と管理会計」は、単なる理論ではなく、「経営の羅針盤」を持つための武器です。
数値管理は仮説の原点!
有名中小企業の事例解説
管理会計手法の優れた有名企業について紹介します。
① セブン-イレブン・ジャパン(流通小売業)
セブン-イレブンでは、店舗ごとの売上・利益分析はもちろん、時間帯別・商品カテゴリ別のデータをPOSシステムでリアルタイム管理。

販売動向に応じて発注や棚割りを変更する「日配管理」など、極めて高度な管理会計手法を実践しています。
セブン-イレブンは、「管理会計」を商品構成やシフト設計といった現場の最前線で巧みに活用しています。
② 株式会社浜野製作所(製造業/東京都墨田区)
精密板金加工を手がける町工場でありながら、原価計算や受注別採算管理を徹底。
「どの案件が利益を生んでいるか」を見える化し、赤字案件は事前に排除する体制を整備。

浜野製作所は、「管理会計」を小ロット多品種製造における利益確保の武器として活用しています。
実務事例|化粧品小売業の支援現場から
ここからは、私が実際に支援した現場経験に基づいた話をします。
支援の背景
地方都市に立地する老舗化粧品店。売上が減少し、3期連続の営業赤字。経営者は「立地が悪い」「仕入れが高い」とぼやくが、意思決定に使える管理資料は皆無。
支援内容の活用(制度会計と管理会計)
・制度会計で整理された決算書をもとに、まずは「整形BS」による実態把握
・管理会計の視点で、損益分岐点比率や商品別粗利管理を導入
・CF表や資金繰り表も作成し、「儲かってるか分からない」状態を脱却
実行した支援内容
- 商品別粗利ランキング作成と値付け見直し
- 販促費の費用対効果測定(SNS・チラシ等)
- 家賃や人件費の見直し(分岐点比率102.8%を是正)
- 借入返済計画と月次資金繰り表の共有
成果と今後の展望
- 売価見直しにより粗利率改善
- 損益分岐点を意識した運営へ移行
- 経営者自身が「数字で意思決定」するように変化
実務&養成課程実習でも使えるワンポイント
「制度会計は”過去の整理”、管理会計は”未来への橋渡し”」と伝えると、経営者にもすんなり響きます。
商工会品質!
まとめ|振り返りポイント
制度会計と管理会計の違いは、単なる知識の理解ではなく「どう活かすか」が勝負です。
- 制度会計は「外向き」、管理会計は「内向き」
- フレームワークや指標は「行動に落とす」ことで初めて意味を持つ
- 実務では両者のバランス感覚が問われる
もし、私と同様に、知識だけでなく現場で経験を積みたい方は、商工会への転職も考えてみてください。
一緒に、仲間として働きませんか?
それでは、次回の記事でお会いしましょう!
参考書
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