突然ですが、あなたは今の働き方に不安を感じていませんか?
特に40代以降の同僚や友人から、こんな悩みをよく耳にします。
- 「今のスキルで将来も通用するのか不安だ」
- 「60歳を超えても安定した収入を得たいが、方法が分からない」
- 「AIに仕事を奪われたらどうしよう…」
おはようございます。経営指導員&中小企業診断士のセバスチャンです。
今回は、そんな不安に寄り添いつつ、AI時代をどう生き抜くか?
をテーマに、現場での経営支援を20年以上行ってきた私が、実務の視点でわかりやすく徹底解説します。この解説を読めば、AIとの共存・活用が不安ではなく「希望」に変わり、自分の価値を高めるヒントがきっと見つかります!
AI導入が企業にもたらす3つの効果
項目 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
効率化 | 手間・時間の削減 | 議事録自動化、見積書生成 |
品質の平準化 | 熟練差をAIが補完 | 接客トークスクリプト、チャットボット |
新サービス創出 | 発想の転換 | AIアート生成、業務コンサル支援AI |
もはや「AI導入しない選択」は、企業の競争力に限らず、個人の業務格差を生むリスクになっています。
2. なぜAIは現場に定着しないのか? “不都合な真実”の正体
実は、日本におけるAI活用の現状は、世界と比較してかなり遅れを取っています。経済産業省の2024年発表「DX白書」や、McKinsey & Companyが公表した「The State of AI in 2023」によれば、最新のデータでは次のようになっています。
国 | AI導入率(企業全体) |
---|---|
日本 | 約33% |
アメリカ | 約65% |
中国 | 約83% |
特に日本の中小企業においては、AIやDXに対する認識や実践が十分に追いついておらず、導入率はさらに低下する傾向にあります。これは単なる技術の問題ではなく、経営層の意識、社内文化、教育体制など、複数の要因が絡み合った構造的な課題です。
また、個人レベルでの生成AIの利用状況も他国と比較して低い水準にあります。総務省が2024年に発表した「情報通信白書」によれば、日本における個人の生成AI利用率は9.1%にとどまっており、他国と比較しても明らかに低い状況です。
なら、まだいいや、は危険!
国 | 生成AI個人利用率 |
---|---|
日本 | 9.1% |
アメリカ | 46.3% |
中国 | 56.3% |
ドイツ | 34.6% |
イギリス | 39.8% |
※出典:経済産業省「DX白書2024」、総務省「情報通信白書2024」、McKinsey & Company「The State of AI in 2023」
主な理由として、「使い方がわからない」「生活に必要性を感じない」といった声が多く、さらに「月額3,000円前後のサブスクリプション料金が高い」と感じる人も少なくありません。長引く物価高や将来不安によって、特に日本ではこの程度の出費でも慎重になりがちです。
とはいえ、「条件次第では使いたい」と考える層も多く、生成AIに対する潜在的ニーズは確実に存在しています。教育や実践例の共有とあわせて、心理的・経済的ハードルをいかに下げるかが鍵となるでしょう。
ではなぜここまでAIの定着が進まないのでしょうか?以下にその主要な原因を示します。
私は実際に、AIの可能性を何度も現場で伝えてきました。ある日、同僚たちにAIについて説明し、「こういうツールを使えば、こんなに時間が短縮できますよ」と話しましたが、多くは「ふーん」で終わり。手を動かそうとすらしない人も少なくありません。特に印象的だったのは、創業者向けのセミナーでの出来事。私は「議事録や資料作成がAIで劇的に楽になります」と熱く語りましたが、実際に関心を示してくれたのは、数十名中わずか3名でした。さらに深刻なのは、我々のような支援者・専門家の側です。多くの中小企業支援に携わる専門家でさえ、AIを活用する際にプロンプトを自ら設計することなく、まるで“壁打ち相手”のように限定的な使い方しかしていないのが実情です。このように、現場にAIが浸透しない背景には、単なる知識の欠如だけでなく、“試してみよう”というマインドセットや、体験を通じた実感の欠如があります。
原因は?
- ツールが煩雑・UIが難しい → 触る前に挫折
- 特に40代・50代に多いのが「受け身」の姿勢です。自ら試そうとせず、時には批判的にすらなります。「どうせ使えない」「難しそうだからやらない」と決めつけてしまうのです。
- 最近、私は強く思います。「経験と勘」だけで判断していると、あなたたちはもうすぐ、20代の“AIネイティブ世代”に仕事の質でもスピードでも負けますよ、と。厳しいようですが、それがすでに現実となりつつあります。
- 変化を拒むのではなく、「どうやって使えば活用できるか?」に意識を向けるべき時代です。
- プロンプトが難解 → 試す気が起きない
- 心理的抵抗感 → 「自分の仕事を奪うかも…」

UI(ユーザーインターフェース)は、ユーザーとツールの接点そのものです。画面のデザインや操作性が悪いと、せっかくのAIも「使いにくい」「わかりづらい」という理由で敬遠されてしまいます。たとえば、文字が小さい、ボタンの配置が直感的でない、手順が複雑すぎる——こうした「ちょっとした違和感」が、現場のAI離れを引き起こします。特に中小企業や現場主義の職場では、使いやすさ=導入の鍵。誰でも直感的に操作できるUI設計がなければ、AIは「絵に描いた餅」に過ぎません。テクノロジーに強い人でさえも、「目的のないAI導入」には冷めてしまいます。
3. 実践事例:AIは“立場”を超えて人を活かすツールに
私のチームには、65歳を超える元経営指導員の大先輩と、ある派遣職員の方がいます。
かつて全国商工会連合会に出向していた時、「派遣職員は事務しかできない。相談員にはなれない」と、47都道府県の担当者が口をそろえて言っていたのを聞いたことがあります。
しかし、私はこの考えに真っ向から異を唱えます。
なぜなら、私の指導のもと、その派遣職員はわずか3カ月で事業計画の策定をマスターし、今では現場で事業者に対して的確なアドバイスを行うまでに成長したからです。そして、65歳を超える大先輩は、今なお相談指導の質と量が爆上がりしているのです。
これはまさしく、AIの力を借りた成果です。
私が行っているのは、相談者との面談内容をテキスト化し、それを基にした【プロンプトを丁寧に設計すること】。派遣職員はそれをもとに議論を深め、成果物を作り上げていきます。

この“共同作業”は、年齢や雇用形態に関係なく、「能力と意欲があれば活躍できる」ことを証明しています。そしてその背景には、AIが補助輪としてそっと支えてくれる存在であるという事実があるのです。
「派遣職員だから」「高齢だから」といったバイアスを外し、個人が持つ可能性を最大限に引き出す。そんな環境を整えられるのも、AIが持つ本当の力なのです。
人の可能性を引き出せ!
4. 【フレームワーク解説】5Aモデルで読み解く、AI導入ステップ
ここでは、実際に支援した事業者の例をもとに、5Aモデルを具体的に説明します。
5Aモデルとは、AIやデジタル技術を導入・定着させる際に、個人や組織がどのように受け入れ、活用へと移行していくかを段階的に整理したフレームワークです。
このモデルは、マーケティングや組織行動論にも応用されており、AI活用の現場でも「どの段階で何が必要か」を可視化することで、計画的かつ効果的な導入を実現する支援ツールとして有効です。
ある地方の製造業では、営業担当が商談のたびに手書きで議事録を残し、週報にまとめて提出する文化がありました。
私はこの企業に対し、まずAIの議事録作成ツールのデモを見せ、「自動で議事録が作れる」ことを実感してもらうことから始めました(→Aware)。
次に、「議事録作成の時間が週5時間以上も削減できる」という事例を提示し、営業メンバーからの「それは助かる」という声を拾い上げ、彼らの負担軽減につながる形で活用意義を共有しました(→Accept)。
そのうえで、ITの専門家に相談し、普段使っているTeamsに議事録AIを連携し、難しい設定は一切不要、録音ボタンを押すだけという簡単なUIに整えました(→Adopt)。
導入後すぐに、営業会議における内容共有が速く・正確になり、全社的に「これは便利だ」という声が上がりました(→Apply)。
さらに、経営者がこの成果を別の部署にも横展開し始め、バックオフィスでもAI議事録やメール自動生成などのツール導入が進みました(→Amplify)。
このように、5Aモデルは単なる理論ではなく、現場に即した段階的な支援プロセスとして非常に効果的です。
ステップ | 概要 | キーアクション |
---|---|---|
Aware(認知) | AIの可能性を知る | 勉強会・導入事例の共有 |
Accept(受容) | 心理的障壁を超える | 現場の声を反映した設計 |
Adopt(導入) | UI/UX設計と習慣化 | 既存ツールと連携 |
Apply(応用) | 業務への実装 | プロトタイプ活用、改善フィードバック |
Amplify(拡張) | 成功を拡げる | ノウハウ展開・横展開 |
思いひとつ!
5. 人間にしかできない「問いを立てる力」「価値を創る力」
AIは「答えを出す」ことが得意。しかし、どんな「問いを立てるか」は人間の仕事。
- どんな業務をAIに任せたいか?
- どうすれば顧客にとって価値ある体験になるか?
この問いを立て、AIと対話しながら試行錯誤できる人こそが、真にAIを活かす人です。
実際、私はもはや“壁打ち”のようなAI活用に留まっていません。すべての業務において、私自身がプロンプトを丁寧に設計し、AIに対してマイクロマネジメント的な指示を与えることを意識しています。AIは万能ではなく、指示次第でアウトプットの質が大きく変わる存在です。
一方で、人間に対しては逆にEQ(感情知性)を重視したマネジメントが求められます。つまり、AIには論理で指示を、そして人には感情と信頼で働きかける。これが今後のマネジメントのあり方だと確信しています。
これからの時代、プロンプトを制すること、そして“人柄”を活かすこと。この両輪が、組織を動かし、価値を生み出すために欠かせない要素となるでしょう。
6. :「価値持ち」マインドとは
あなたは「お金持ち」よりも「価値持ち」を目指していますか?
価値持ちの特徴
- 自責思考:「環境ではなく自分を変える」
- 逆算思考:「目的から方法を設計」
- 学び続ける探究心:「変化を楽しむ」
- 他力活用力:「AIを自分の能力に変える」
AIはまさに現代の“最強の他力”。この「他力」を活かせるかどうかが、分かれ道になります。
余談ですが、私が発信した投稿には、時折、低評価や厳しいコメントが寄せられることもあります(苦笑)。しかし、そうした声の背景には、AIや変化に対する戸惑いや、価値をまだ見いだせていない葛藤があるのかもしれません。だからこそ私は思うのです。もし今のやり方に少しでも限界を感じているなら、AIと共に学び、成長する旅に一緒に出てみませんか?
あなたの中にある可能性が、きっと新たな価値として花開くはずです。「AIを自分の能力に変える」AIはまさに現代の“最強の他力”。この「他力」を活かせるかどうかが、分かれ道になります。

まとめ
AIはあなたの可能性を広げる“相棒”です
- AIを使うかどうかではなく、「どう使いこなすか」が未来を分ける
- 「価値ある問い」と「言語化力」で、AIにできない仕事を生み出す
- 自分の好奇心・探究心をエネルギーに、アップデートを止めない
そして、今日お伝えしてきたAIの活用・プロンプト設計・組織マネジメント・問いの力——これらを120%発揮できる国家資格があります。
それが 中小企業診断士 です。
恐れず、試して、学んで、使い倒す。その先にこそ、AI時代を生き抜く力」=「あなた自身の市場価値」があるのです。