こんにちは!
中小企業診断士&経営指導員のセバスチャンです。
今回のテーマは、ずばり「省エネ補助金を使った攻めの設備投資」について。
「うちは小規模だから関係ないよ…」
「手続きが面倒で無理でしょ…」
そう思っていませんか?
でも、これはまさに今!設備更新を考えているあなたにこそチャンスなんです。
国の支援を活用して、電気代を減らしながら、持続可能な成長へと踏み出す。そんな未来設計の第一歩を、一緒に踏み出していきましょう!
1. この補助金、どんな事業?
この補助金の正式名称は「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」。名前は長いですが、要は「電気を使う設備を省エネなものに替えたら、国がその費用を一部支援しますよ」という制度です。
事務局はあの「SII(一般社団法人環境共創イニシアチブ)」が担当しており、制度も年々ブラッシュアップされています。
補助対象は2つの型に分かれています。
- (Ⅲ)設備単位型:高効率エアコンやLED照明など、“指定された設備”を導入するパターン
- (Ⅳ)エネルギー需要最適化型:EMSなどのエネルギー管理システムを導入し、事業場全体で省エネを最適化するパターン
つまり、「設備そのものを替える」のか「設備の使い方を最適化する」のか、という2つの軸で考えられるということですね。
2. 対象となる事業者は?
では、誰がこの補助金を使えるのか。
結論から言うと、「しっかりした経営体制を持つ法人または個人事業主等」であればチャンスがあります。例えば…
- 事業協同組合や商工組合
- 商店街振興組合
- 一般の法人(中小企業・中堅企業)
- 個人事業主(個人事業主の場合は確定申告書を添付する必要あり)
特に注目したいのは、「省エネ設備の所有者が債務超過だと対象外」という点。つまり、ある程度健全な財務状況が求められるんですね。ここ、実は結構見落とされがちなのでご注意を。
また、建物のオーナーとテナントが異なる場合、共同申請が必要になる点もポイント。契約書や承諾書などの提出が求められます。
3. 何に使えるの?補助対象設備の話
補助対象設備は、SIIが認定する「指定設備」。これらは、性能が厳格に定められた高効率な設備です。
代表的なものは以下のとおり:
- 高効率空調(業務・産業用)
- 業務用給湯器・高性能ボイラ
- 産業用モータ、ポンプ、圧縮機
- LED照明(制御機能付き)
- 工作機械・プレス機械・印刷機械などの生産設備
また、要件としては:
- 既存設備の更新であること
- 使用用途が同じこと
- 中古品でないこと
- 2014年以降のモデル(生産設備)
つまり、「最新鋭設備への更新で、生産性と省エネの両立」が狙えるのです!

4. 補助を受けるには“どのくらい”省エネすればいい?
この補助金の申請には、「どのくらい省エネできるか」の根拠が必要です。
以下のいずれかを満たしましょう:
- 計画省エネルギー率10%以上
- 省エネルギー量が1kl以上
- 経費当たりの省エネ量が1kl/千万円以上
計算方法は、「指定計算」か「独自計算」が選べます。独自計算の場合は、裏付けとなる書類が必須ですので、支援機関や専門家に相談するのも一手ですよ。

5. “余裕”をもった計算が認められる?
そうなんです。現場では“理想通りにいかない”こともありますよね。
そんな時のために、「裕度(安全率)」や「補正計算」という仕組みがあります。
たとえば:
- 稼働条件が曖昧でも裕度の設定が可能
- 実際の稼働条件とズレたら、補正計算での再算出も可
この仕組みのおかげで、「完璧じゃないから無理だ」と諦める必要はありません。大事なのは“改善の意志”と“準備”です!

6. 申請の流れは?書類の山に立ち向かえ!
申請はWeb(補助事業ポータル)と郵送のハイブリッド方式です。
基本ステップは以下の通り:
- アカウント登録(SII)
- 事業計画立案&書類作成
- Web入力
- 書類出力・必要書類添付
- 郵送
- 審査→交付決定
ここで大切なのが、見積取得のルール。
原則「異なる販売事業者3者以上」からの見積取得が必要です。設備をどこから購入するかは、申請後に選べます。つまり、「価格競争はしっかり、選択肢は自由に」というわけです。
7. リースでも使える!バルクリースって?
最近よくある質問が、「リースでも補助金、使えますか?」というもの。
答えは…使えます!ただし条件付きです。
- 残価設定付きリースはNG
- 所有者・使用者の共同申請が原則
- バルクリースという複数事業者のまとめ申請方式もあり
この「バルクリース」は、導入コストを抑えながら効率的に申請できる仕組み。これは特に、同じ機械を複数拠点で一気に更新したい時にピッタリです!
8. 補助金がもらえるまで、そしてその後
交付決定を受けてからがスタートです。
- 契約・発注は「交付決定後」
- 完了後30日以内に「実績報告」
- SIIによる書類・現地確認後、補助金額の確定
- 「精算払請求書」提出後に支払い
さらに、設備の処分にもルールがあります。処分制限期間中の譲渡・売却にはSIIの承認が必要です。帳簿での管理も忘れずに!
本補助金は、少し難易度高めなので、商工会や商工会議所で無料の専門家派遣を活用することも1つです。
9. 不正は絶対NG!「適正化法」を知っておこう
この補助金は、「適正化法」に基づいて運用されています。
つまり、**不正があれば即アウト!**という厳しい世界。
- 目的外使用 → 補助金返還+加算金
- 虚偽申請 → 懲役や罰金の可能性
- 報告漏れ・虚偽報告 → 罰則あり
「もらったら終わり」ではありません。使い方も正しく、報告も正確に。これが信頼される事業者の姿勢です。
10.補助金は“攻めの守り”だ!
設備更新に補助金を使うのは、単なる「コスト削減」ではありません。
- 電気代の削減
- 環境対応への貢献
- 業務効率UP
- 次代の若手採用へのアピール
これ全部、“未来への投資”なんです。
面倒に見える申請も、正しい手順を踏めば決して不可能ではありません。
そして何より、「やってみよう」と一歩踏み出したあなたの姿勢が、会社の未来を切り開く最大の鍵になるのです!
さあ、あなたの事業でも「省エネ×攻めの経営改革」を始めませんか?
もし手続きが不安であれば、お近くの商工会や商工会議所、無料の専門家派遣で相談してみてください。
一歩を踏み出す勇気と仲間の力が、未来を変えていきます!