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【実務式】企業ドメインと事業ドメインの違いを徹底解説!【中小企業診断士1次試験対策】

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皆さん、こんにちは!中小企業診断士&経営指導員として、年間100件以上の現場支援を行いながら、全国の診断士受験生を応援しているセバスチャンです!

さて、皆さん、こんな悩みはありませんか?
「企業ドメイン」と「事業ドメイン」って似てるけど、いま自分が話しているのはどっちなんだろう?実はこれ、現場でも試験対策でも“あるある”なんです。

この2つの違いを正しく理解できていないと、社長との戦略会話もズレますし、支援の方向性だって曖昧になります。なにより、ドメインの問題は企業経営理論の頻出問題ですので、落としたくない!

逆に、ここをしっかり押さえておくだけで、あなたの提案や分析は、説得力も実効性も一気に高まります!

今回は具体例を基に、「企業ドメイン」と「事業ドメイン」の違いをスッキリ理解していただきます。

試験対策にも!現場対応にも!両方に効く“超重要テーマ”、一緒にマスターしていきましょう!



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【ウォームアップ:試験で狙われるドメイン問題5選】

以下に、ドメインに関する実践的な確認問題を5題ご用意しました。ご自身の理解度チェックとしてぜひご活用ください。

■ 問題1(過去問類題)

企業ドメインの定義として、最も適切なものはどれか?

A. 経営理念に基づいて設定される具体的な業務手順
B. 企業の各事業におけるポジショニング戦略の集約
C. 企業全体としてどのような事業領域で社会的使命を果たすかの枠組み
D. 顧客ニーズに応じて現場で選ばれる技術的な対応策

正解:C


■ 問題2(想定問題)

以下の記述はどちらのドメインに該当するか?

『当社は高齢者を対象に、機能回復を目的とした整体サービスを、在宅訪問型で提供している』

A. 企業ドメイン
B. 事業ドメイン
C. サービスドメイン
D. 顧客セグメント戦略

正解:B(事業ドメイン)


■ 問題3(想定問題)

事業ドメインを明確に定義する際の3要素として、最も適切な組み合わせはどれか?

A. 製品・価格・チャネル
B. 人材・業界・戦術
C. 顧客・提供価値・活用技術
D. 組織・方針・施策

正解:C(エーベルの3次元)


■ 問題4(過去問類題)

以下のうち、PPM分析の活用対象として適切なものはどれか?

A. 顧客ニーズの抽出
B. 競合企業の財務分析
C. 企業内複数事業の資源配分見直し
D. 品質改善プロセスの設計

正解:C(企業ドメインに関係)


■ 問題5(実務応用型)

整体業を営む企業が新たに「睡眠改善コース」を開発し、高所得層をターゲットに新市場へ進出する場合、最も関連が深い戦略概念はどれか?

A. コアコンピタンスの見直し
B. 多角化戦略(アンゾフ)に基づく企業ドメインの再定義
C. 組織文化の変革
D. サービスマニュアルの更新

正解:B


「ドメイン」って何?

経営戦略における「ドメイン」とは、企業が「誰に、何を、どうやって」価値を提供していくかという事業領域のこと。つまり、「どこで戦うのか」「誰のためにどんな価値を生み出すのか」を定める、戦略の出発点です。

では、それを踏まえて企業ドメインと事業ドメイン、それぞれを見ていきましょう。


【企業ドメイン】会社全体の“旗印”となる方向性

企業ドメインとは、会社全体の存在意義や活動領域を示すもの。たとえば整体業を営む企業が、リラクゼーション、ヨガ、栄養指導なども展開しているとします。

この場合、企業ドメインは

💡『心身の健康維持・増進を支援するサービス業』

と定義できます。

つまり、企業の全体戦略における「何のために存在しているのか」を示すものです。企業ドメインは、会社組織でいえば、社長を含む経営陣が考えるドメイン設定といえるでしょう。

▽ PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)との関係

PPMでは事業を以下の4つに分類します。

  • 問題児:成長性は高いがシェアが低い
  • 花形:成長性・シェア共に高い
  • 負け犬:成長性もシェアも低い
  • 金のなる木:シェアは高いが成長性は低い

これをもとに、資源配分や撤退判断を行います。

企業ドメインの見直しは、このPPM分析から始まることも多く、全体最適の視点が求められます。

例えば、この表は、私が数年前に支援した総合建設業の会社です。常務より、新しい事業を展開したいとのことだったので、このようにPPMで視覚化したんですよね。

常務と話をしていて、各事業(シロアリ事業、総合建設、機械器具設備)がバラバラに動いており、連携していないことが分かりました。そこで、特に相乗効果を得られる総合建設と機械器具設備を包括した革新型総合建設業を構築することにしました。具体的な内容を説明はしませんが、結果的に安定的にキャッシュフローを生み出すこととなり、次の事業投資の原資を確保することができるようになりました。

この全体の経営資源配分を考えることが、まさに実務上の企業ドメイン設定のイメージです。実際の現場では、このように使用することが一例です。

▽ アンゾフの成長マトリクスとキャッシュフロー

実務では、新市場への進出や多角化を検討する際、「それは自社のドメインか?」を明確にし、収支見通し=キャッシュフローと照らして判断する場面が頻出します。

私の経験則ですが、新市場新規顧客による多角展開は、よほどの差別化にならない限りはおすすめしていませんでいた。あくまで、現在のリソースと関連性が高く、のちに他の事業と相乗効果を生み出す展開を進めています。


【事業ドメイン】個別事業の“勝ち筋”を定義するもの

一方の事業ドメインは、企業内のそれぞれの事業単位ごとに設定される、事業の狙いと方法を明確にする枠組みです。

たとえば、整体院という1つの事業があるとします。以下のように整理できます:

  • 誰に(Who):デスクワーク中心のオフィスワーカー
  • 何を(What):慢性的な肩こりや腰痛の緩和、姿勢改善
  • どうやって(How):整体手技、ストレッチ、簡易トレーニング

この考え方は、「エーベルの3次元(Who・What・How)」として知られており、事業ドメインを構成する基本要素となります。

▽ 初心者は「誰に・何を・どうやって」でOK!でも…

初心者であれば「誰に・何を・どうやって」と覚えても問題ありませんが、より実務的・試験的には「エーベルの3次元」でしっかり整理できると強いです。

実際、診断士の養成課程でも「何を(価値)」と「どうやって(手段)」を混同してしまい、プレゼンでの説得力が落ちる例を見てきました。この区別がついているかどうかが、支援力にも直結します。

さきほどの、私が支援した“企業ドメイン“ですが、それぞれの事業はなんでしょうか?そうですよね。各事業の設定は、事業ドメインですよ。当時、さらなる事業について、顧客、価値、技術という観点でアイデアを出し合いました。

事業ドメインは、会社でいうと事業部門で考える単位です。事業が1つしかない場合は、企業ドメインとイコールとなりますが、いくつも事業がある会社の場合は、その事業の責任者や、実行する社員も検討するものとなります。


【図解】企業ドメインと事業ドメインの違い

📊 図:ドメイン構造イメージ

  • 企業ドメイン:全社の“旗印”・複数事業を束ねる上位概念
  • 事業ドメイン:各事業が狙う市場と価値提供の定義

【比較表】2つのドメインを一発整理!

観点企業ドメイン事業ドメイン
位置付け上位概念下位概念
対象範囲会社全体/複数事業各事業単位
視点外部(ビジョン・社会的意義)内部(競争力・提供価値)
活用フレームPPM/アンゾフエーベルの3次元
試験頻出語全社最適/キャッシュフロー顧客価値/競争優位性

※単一事業しか持たない企業(例:地域の整体院など)の場合、企業ドメインと事業ドメインが一致することもあります。


【実務でも使える!】ドメイン思考の活用シーン

  • 企業ドメインを明確にすることで、経営理念や戦略の一貫性が保てる
  • 事業ドメインを定義すると、顧客や提供価値がズレていないかの見直しができる

現場での支援でも、「そもそも誰に、何を、どう届けたい?」という問いかけは、思考のズレを整える強力な武器になります。


まとめ:ドメインを理解すれば、試験も現場も強くなる!

いかがでしたか?

企業ドメインと事業ドメイン。この2つを区別できるだけで、あなたの試験対策は確実に一歩前進しますし、現場での支援にも“芯”が通ります。

「うちは、誰に・何を・どうやって届けたいのか?」
「今検討している事業は、そもそも自社のドメインに入っているのか?」

こんな問いを立てられるようになると、支援のレベルもぐんと上がります。

ぜひ、今日学んだ内容を、自分の言葉で語れるようになるまで繰り返し読んでみてください。

それができたら、もうあなたも“ドメインマスター”の仲間入りです!

次回も、試験でも現場でもバッチリ使える“効く知識”をお届けしますね。

せっかく勉強するなら【実務式】で学びましょう!それではまた!



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