- 「登録養成機関が多く存在するのはわかったけど、自分の家の近くにあるのかな?」
- 「募集人数の違いってあるのかな?」
- 「どこのエリアが有利なのかな?」
中小企業診断士の資格を目指すにあたり、多くの方が登録養成機関の選び方や募集人数に悩むことでしょう。自分に合った養成機関を見つけることは、資格取得の第一歩です。
しかし、その選択肢がどれほど重要かご存じでしょうか?地域によっては、近くに養成機関が存在しない場合もありますし、募集人数の差異も無視できません。
この記事では、あなたが最適な養成機関を見つけるために必要な情報を提供します。どのエリアが有利なのか、どの養成機関が自分にとって最適なのかを明確にすることで、効率的な資格取得を目指しましょう。
養成機関別の募集人数
まずは各養成機関の募集人数を以下の表にまとめてみました。
養成機関 | 募集人員 |
札幌商工会議所 | 30名 |
中小企業大学校 | 120名(40名・80名) |
法政大学 | 35名 |
日本生産性本部 | 48名 |
日本マンパワー | 24名 |
東洋大学 | 24名 |
城西国際大学 | 16名 |
日本工業大学 | 15名 |
千葉商科大学 | 28名 |
中部産業連盟 | 32名 |
大阪経済大学 | 24名 |
兵庫県立大学 | 16名 |
関西学院大学 | 16名 |
福岡中小企業診断士協会 | 12名 |
■年間・養成課程合格者数 | 440人 |
募集人数は12名から120名までと幅広く設定されています。養成課程の経験上、グループワークは6~8人で行うため、6や8の倍数で募集されることが多いです。例えば、中小企業大学校では募集40名に対し実際には48名が参加していたこともあります。
試験会場別エリアと募集人数
次に「試験会場別のエリア」に区分けしてみました。
エリア | ※近くにある養成機関 | 募集人員 |
札幌 (北海道) | 札幌商工会議所 | 30名 |
仙台 (東北) | 札幌商工会議所 | 30名 |
東京 (関東) | ・中小企業大学校 ・法政大学 ・日本生産性本部 ・日本マンパワー ・東洋大学 ・城西国際大学 ・千葉商科大学 ・日本工業大学 | ・120名(40名・80名) ・35名 ・48名 ・24名 ・24名 ・16名 ・28名 ・15名 合計:310名 |
名古屋 (中部・北陸) | 中部産業連盟 | 32名 |
大阪 (近畿) | ・大阪経済大学 ・兵庫県立大学 ・関西学院大学 | ・24名 ・16名 ・16名 合計:56名 |
広島 (中国・四国) | ・大阪経済大学 ・兵庫県立大学 ・関西学院大学 | ・24名 ・16名 ・16名 合計:56名 |
福岡 (九州) | 福岡中小企業診断士協会 | 12名 |
那覇 (沖縄) | なし | ‐ |
場所だけで判断すれば東京(関東)にお住まいの方は有利です。逆に東北、中国・四国、九州・沖縄については選択肢が限られてきます。特に沖縄県だけは立地上、毎週飛行機を使用しない限りは養成機関の活用が難しいことが分かります。
エリア別1次試験合格者数と募集人数
続いてはエリア別の1次試験合格者数と比較してみます。
エリア | 1次合格者数 | 募集人員 | ※想定合格率 |
札幌 (+仙台) | 97人+(184人) | 30名 | 10.7% |
仙台 (+札幌) | 184人+(97人) | 30名 | 10.7% |
東京 | 2,805人 | ・120名 ・35名 ・48名 ・24名 ・24名 ・16名 ・28名 合計:295名 | 10.5% |
名古屋 | 492人 | 32名 | 6.5% |
大阪 (+広島) | 938人 | ・24名 ・16名 ・16名 合計:56名 | 3.9% |
広島 (+大阪) | 212人 | ・24名 ・16名 ・16名 合計:56名 | 3.9% |
福岡 | 252人 | 12名 | 4.8% |
那覇 | 39人 | ‐ | ‐ |
想定合格率はあくまで全員が養成課程を受講した場合です。また昨年度からの1次試験合格者や、2次試験合格者の想定数は加味していません。細かい計算をしてみましたが、統計的には他の要素を加味したとしても同様の差異がでると考えられます。
合格可能性のみで判断すると、東北・関東は比較的高く、次いで中部、関西・中国・四国・九州は激戦であると判断できます。
総合的に考えると関東圏が明らかに有利です。またお住まいの交通機関によって、厳しい環境の方もいらっしゃると思います。
私も同じ立場であれば「九州なら福岡だけ。しかも少人数。2次試験を勉強した方がいいかもな。交通費もかかるし。」と思うかもしれません。
どうしても外部環境が厳しすぎる方は他の戦略を考えることが有効かもしれません。
外部環境の厳しさからあきらめる判断をする人も多いとも考えられます。しかし本当に難しいかを一度踏み込んで検討することが大事です。中小企業診断士になるために求められる能力は、自分の置かれている外部環境を知ることが第1歩です。
令和4年度2次試験合格者数 | 年間・養成課程合格者数 |
1,625人 | 440人 |
養成課程からの資格取得人数
昨年の合格者の総合計をみると、令和4年度「2次試験合格者1,625人」で「養成課程合格者が440人」です。
令和4年度は全体で約2,000人が中小企業診断士に登録されたことになり、そのうちの約1/4は養成課程出身者という計算になります。2次試験合格者だけでなく、養成課程を得て中小企業診断士になっている人が相当数いることがわかります。
現実的に無理なこともあると思います。しかし「なんとかできないか」の方法を考える。経営者を支援する中小企業診断士を目指すのであれば、合格するための戦略を立てることが重要です。
養成課程出身はかなり多い!
最後に
中小企業診断士の資格取得に向けて、最適な養成機関の選び方や地域別の募集人数について詳しく解説しました。資格取得の第一歩は、自分の置かれている環境を理解し、それに応じた戦略を立てることです。特に地域ごとの試験会場や養成機関の選択肢を把握することで、より効率的に資格取得を目指すことができます。
中小企業診断士の資格取得は容易な道ではありませんが、適切な養成機関を選び、戦略的に取り組むことで、その難関を突破することができます。地域ごとの合格率や養成機関の特徴を理解し、自分に最適な環境を見つけることが大切です。
現在、資格取得に向けて努力している皆さん、毎日の努力が必ず実を結びます。自分を信じて、最後まで諦めずに進んでください。困難な状況に直面しても、その先には大きな達成感と新たなキャリアの扉が開かれています。あなたの努力が報われる日を心から応援しています。がんばってください!