私の名前は一悟。「いちもんじ さとる」と読む。あだ名は「いちご」だ。
みなさんは、誰かの車に強制的に乗せられた経験はあるだろうか?そこには命がけの駆け引きがある。
今日は、そんなお話し。
なお、閲覧に関しては自己責任であることと、一切のコメントへの回答はしないので、興味がある人のみ読んで欲しい。
(この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません)
【第4話】 生と死と右側の人 後編:デットリードライブ
社会人としての成長。みなさんも色々な経験をし、人間として器が大きくなるだろう。しかし何度も何度も繰り返される突き落とされるような経験の連続。
そんな人生経験をしたある普通の夕暮れの一こまである。
~前編より続き~
次の日の午後6時頃。事前に電話で指示があった。
コード893「金を持って、店の前に出ておけ!」
私はこの極めて簡単なミッションを遂行するだけだ。
一悟「話はついたんだ。また居座られても困る。さっさと金を渡してさよなら、バイバイ!だ」
それから指定された時間を少し過ぎた頃に、店舗前に黒塗りのセダンが止まる。

コード893「・・・お前、乗れや」
一悟「・・・」
今でも私は不思議な気持ちである。何で乗ったんだろうか?自分でも理由(わけ)が解らない。はっきり言って死地へ赴くようなものである。
奇想天外★デッドリードライブスタート♪
コード893「・・・お前いくつや?」
一悟「22歳です。」
コード893「あ?・・・おいおい。まだ学生出たばかりのハナタレじゃないや!」
コード893「・・・お前、これ見ろや」
コード893が指差した場所に何かしらの「代紋(エンブレム)」が置いてある。
コード893「俺は、ここと知り合いなんや」
社員A「・・・はぁ(知らんし)」
と、私はこの時悟る。
はったりじゃない!

893認定(ほんまもん)
・・・私は触れてはいけない者に触れてしまった。
すると、すかさず繰り返す。
コード893「・・・おいおい勘違いすんなや。俺は・・・」
「U49(ウ〇ク)や!」
「・・・(そっちぃー)」
・・・ごめんなさい。この際、どっちでもいいんよ。
「右とか左」とか。あ!なるほど!今から、この車で、【どっちに行くかって】ってことかな。でも、どうせどっちも【アウト・デース】!!
発狂ぅ~~
私は発狂しそうになるとともに、このとき潔く諦めた。
いくら納得いかないからといって、世の中にはどうしようもないことがある。【真ん中の人】は、もっと大人になるべきだった。今日で、人生にさよなら、バイバイである。
→側の人【U49】
真ん中の人【一般人】
すると、完全に放心状態の私に、U49【→側の人】が口を開く。
→側の人「お前、根性あるな」
真ん中の人「・・・?」
→側の人「・・・だけどな、俺らみたいな人間には関わったらいかんばい(いけないぞ)」
真ん中の人「?????(はぁ?)」
この時、もはや意味不明を通りこして、なぜか説教されている。これは【最期に死ぬ理由教える】というパターンだろうか。
車が突き当りに差し掛かる。
→側の人「・・・どっち、行こうか」
と、ぶつぶつ言っている。なるほどね。はいはい。そこから?
今から【→(海側)】ですか?
それとも、【←(山側)】ですか?
→側の人「こっちや」
と、車が【→(海側)】に曲がる。
ですよね~。やっぱり【右側】ですもんね~。海といえば崖ですよねぇ。サスペンス劇場定番ですよねー、と私はもはや発狂を通りこして、壊れている。

終極技【Ver.→】
デッドリードライブ【Go to The Sea】
ということで、読者のみなさま、本日でこのブラック企業体験記も終了・・・と、→側の人が語りかける。
→側の人「お前は、社会に出て、【シャバの怖さ】を全く知らん!」
真ん中の人「・・・すいません。」
最期の→側の人からのレクチャーってことですね。
→側の人「俺らみたいな人間に対してはひたすら【すいません】で通すんだ!それが嫌なら・・・」
と、次の瞬間思いがけない言葉が発せられる。
→側の人
「それが嫌なら、お前は893になれぇーーーーー!」
そこ(底)ぉ~~~
私は心の中で、思いっきり叫んだ。きたーーーーー!まさかの社会に出てからのビックチャンス!893のオファーきたーーー。もはや意味不明。
真ん中の人
「・・・大学出てまで893にはなりたくないです。」
私は本音を言いました。
この世界は現実なのだろうか?・・・もう【かたぎの世界】には戻れないのだろうか?と、現実逃避してくる。
→側の人「お前、どこの大学や?」
真ん中の人「X大学です」
→側の人「ん?お前、・・・H教授しっと(て)るや?」
真ん中の人「?知っています。そのH教授のゼミだったので・・・(どゆこと?)」
それからだった。なぜか、→側の態度が一変する。
→側の人「そうかぁー。俺もあのH教授の講義受けたことあるばい。そうかそうか。なるほど。H教授の教え子ね。」
それから他愛の話が続き、私は無事に解放された。
→側の人「頑張れよ!」
まさかのU49からのエール。
・・・温厚なおじさまのH教授。あなたは、いったい何者なんですか?

しかし考えるまい。世の中には「大人の事情」がある。
とにかくH教授助けてくれてありがとうございます。
そして、私はこれからも真面目に生きていきます。
社会人きつぅ~