突然ですが…
「ChatGPTを使ってはいるけれど、結局“個人のスキル”で止まってしまっている」
「チームや組織で共有できる仕組みが作れない」
そんな声を、私は日々の経営相談でよく耳にします。
こんにちわ。経営指導員&中小企業診断士のセバスチャンです。
今回の解説では、「生成AIを個人活用で終わらせず、組織で仕組み化する方法」についてわかりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたの職場にも再現性あるAI活用の仕組みを作り、業務効率を何倍にも高めることができるようになります。
なぜ「個人活用」で止まるのか?
AIを業務で使う人が増える一方で、実は「属人化の壁」が立ちはだかります。
たとえば――
| よくある課題 | 背景 |
|---|---|
| 同じ業務をしても、AIの回答がバラバラ | プロンプト(指示文)の違いによる再現性の欠如 |
| チームで共有できない | 各自のAI活用ノウハウが暗黙知化している |
| 効率化が継続しない | 「使う人のセンス」に依存している |
この“属人化”こそが、AI活用を阻む最大のボトルネック。
同じツールを使っても結果が違う理由は、「プロンプト設計が共有されていないから」なのです。
人は目の前の欲求で満たされる!
仕組みを作る人が勝つ ― 再現性の3原則
ここで、MBAや中小企業診断士の思考法を応用して「再現性の3原則」を整理します。
| 原則 | 内容 | 実践例 |
|---|---|---|
| ①標準化(Standardization) | AIへの指示をテンプレート化し、誰が使っても同じ結果を出せるようにする | ブログ構成や報告書テンプレートを共通化 |
| ②共有化(Sharing) | 成功したプロンプトをクラウド上に共有する | Googleドライブやチャプロでチーム共有 |
| ③改善(Adaptation) | 定期的にレビューし、時代や目的に合わせて更新 | 毎月のAI会議等で改善ループを回す |
つまり、
「使う人」から「仕組みを作る人」に変わること
が、次世代のAI活用リーダーに求められる視点です。
ChaPro(チャプロ)で再現性を仕組み化する
ここで登場するのが、生成AIプロンプト研究所が提供するプラットフォーム「チャプロ」です。
チャプロの目的は明快です。
「思ったような回答が返ってこない」
「プロンプトの書き方がわからない」
といった悩みを解決し、プロンプトの質と時間効率を飛躍的に高めること。
🔹基本構成と操作概要
チャプロの基本機能は主に以下であり、基本無料で活用ができます。
| 機能 | 概要 | 活用ポイント |
|---|---|---|
| プロンプトテンプレート機能 | 業務目的に応じた高品質な指示文を検索・活用できる | テンプレートを社内で共通使用し、再現性を担保 |
| オートプロンプト | 複数の指示を自動連続処理 | ブログ執筆や企画書作成を自動化 |
| チェーンプロンプト | 複数プロンプトを論理的に連携実行 | 業務フロー全体の自動化に最適 |
| ギャラリー | 過去に使ったプロンプトを再利用 | “ナレッジ蓄積”として活用できる |
人がプロンプトを制する!
🔹Webサービスでの使い方
- https://chapro.jp/ にアクセス
- 「新規無料登録」→Googleアカウント連携
- プロンプトを検索→プレビュー→「使用する」ボタンでコピー
これだけで、ChatGPTやGeminiへ即実装可能。
コードもAPIも不要。初心者でも数分で使いこなせます。
プロンプト管理ツールの利用
「チャプロ(生成AIプロンプト研究所)」を使えば、
- 作成・保存・自動送信が可能。
- Google Chrome拡張でChatGPTやGeminiを直接呼び出せる。
- 主要機能は無料で利用可能。
Chrome拡張でChatGPT/Geminiを直接呼び出す
目的:保存したプロンプトを1クリック/ショートカットで呼び出し、ChatGPTまたはGeminiに自動投入して作業を高速化する。
セットアップ(インストール〜初期設定)
- Chrome ウェブストアを開く → 「プロンプト 管理」「ChatGPT 拡張」「Gemini 拡張」等で検索。
- 目的に合うプロンプト管理拡張(例:テンプレ保存、オート実行、右クリック送信に対応)を選び、[Chrome に追加]→[拡張機能を追加]。
- Chrome右上の拡張機能(パズルのアイコン)→ 対象拡張をピン留めしてワンクリック起動できるようにする。
- 初回起動時に求められる権限(「このサイトへのアクセス」等)を確認して付与。
プロンプトの登録(テンプレ化)
- 拡張の管理画面で新規テンプレートを作成。
- 下記の雛形を貼り付け、変数を設定({対象読者} {目的} {文字数} など)。
# 役割:{役割} # 目的:{目的} # 対象:{対象読者} # 制約:{制約条件} # 出力形式:{形式指定} # 参考例:{Few-Shot例} - 保存して「ChatGPTで使う」「Geminiで使う」など送信先を選べる状態にする。
呼び出し方法(3パターン)
A. 1クリック起動:拡張アイコン→テンプレ選択→[ChatGPTで開く]/[Geminiで開く]
セキュリティとガバナンス
- 機密情報・個人情報は匿名化または要約化して入力。
- プロバイダの利用規約/データ保持を定期確認。サンプルデータで検証してから本番運用へ。
- 社内のAI利用ガイドラインに沿った保管・共有ルール(テンプレ棚卸し、権限管理)を整備。
よくある質問(FAQ)
- Q. 無料で使える? → 多くの基本機能は無料の拡張でも対応可。高機能は有料プランがある場合も。
- Q. 端末間でテンプレ同期できる? → 拡張によってはアカウント同期やエクスポート/インポート機能に対応。
- Q. どっちに投げるべき? → ChatGPTはトーン調整・タイトル案など創造系、Geminiは長文整形・表生成・出典指示など構造系が得意。
人がプロンプトを制する!
具体的事例 ― 企画書プロンプトを作成してみよう
例えば「セミナー企画書」を作る場合、使用者はチャプロに変数を入力するだけとなります。
下記はプロンプトの例です。「%%input1%%%%input2%%%%input3%%%%input4%%」は変数であり、入力した方によって内容が変わる仕組みです。
作成するのは簡単ではありませんが、一度作成をすれば、次回以降誰がしてもクオリティの高い企画書を短時間で再現することが可能です。
前提条件
-いつ?
・開催日時:%%input1%%%%input2%%%%input3%%%%input4%%
-どこで?
- 開催場所:%%input5%%
- 形式:%%input6%%
制約:「形式」が「会場での参加(リアル開催)」の場合は、「開催場所」のみ出力すること。
-だれが?
・主催者:%%input7%%
-だれに?
・対象者:%%input8%%
-どのように
・方法・手段:%%input9%%
-何を?
- 事業名・セミナーのテーマ:%%input10%%
- 目的:%%input8%%が、%%input11%%の事業環境変化の脅威へ対応するため、%%input10%%を学習することによって、%%input12%%課題を解決し、%%input8%%の%%input14%%を図り、%%input16%%を目指すべき姿とすることを目的とする。
制約:箇条書きではなく文書として出力すること。
制約:%%input13%%に記載がある場合は、%%input12%%の内容と統合すること。
制約:%%input15%%に記載がある場合は、%%input14%%の内容と統合すること。
制約:%%input17%%に記載がある場合は、%%input16%%の内容と統合すること。
-予算
- 講師謝金:%%input18%%
- 原稿料:%%input19%%
- 旅費:%%input20%%
- 会場・備品借料:%%input21%%
- 広報費:%%input22%%
6.その他:%%input23%%
合計:%%input18%%+%%input19%%+%%input20%%+%%input21%%+%%input22%%+%%input23%%
-受講料:%%input24%%
-受講者目標:%%input25%%
対象プロファイリング(ペルソナの設定)
-基本属性
- 年齢:%%input26%%
- 性別:%%input27%%
- 業種:%%input28%%
制約:「%%input28%%」が「その他」の場合は、「%%input29%%」を業種とする。 - 売上規模:%%input30%%
- 従業員数:%%input31%%
- 居住地:%%input32%%
- 受講者の役職:%%input33%%
- その他特筆すべき特徴:%%input34%%
参考資料
別添資料:%%input35%%
制約:資料が添付されている場合は資料の内容を反映させること。「なし」の場合は反映しないこと。
依頼・命令
生成AIであるあなたの役割%%input36%%が、「#参考」または、「#出力形式の指定の構成」に基づき、「#出力形式」の内容に従って、%%input8%%が、%%input11%%の事業環境変化の脅威へ対応するため、%%input10%%を学習することによって、%%input12%%の課題を解決し、%%input8%%の%%input14%%を図り、%%input16%%を目指すべき姿とすることを目的とした世界最高の「セミナー企画書」を作成すること。
表現の装飾
-表現のスタイル:%%input37%%
-語調のスタイル:%%input38%%
出力形式の指定
-ファイル形式
Word形式:A4・縦・MS明朝
制約:まずはChatGPT上に出力すること。
企画書
-構成
%%input39%%
制約:「なし」もしくは記載のない場合は、「#例の提示」の別添資料を基に構成すること。
-内容
%%input40%%
制約:セミナー終了後、受講者が次の日から行動を起こせる詳細を提案し、企画書に盛り込むこと。
制約:内容を「構成」に合わせて組み込むこと。
制約:「#参考資料」の別添資料があれば、別添資料の内容と統合して作成すること。
-ボリュームの指定
・A4用紙5枚以内で作成
制約:4000文字を超える場合は、分けて出力をすること。なお、その際に「問題なければ、次を出力しましょうか?」と確認を取ること。
例の提示
別添資料:%%input41%%
制約:形式のみを真似すること。
制約:必ず形式の構成とおりに企画書を作成をすること。
その他(拡張・追加要素)
-拡張
なし
-追加
制約:プロンプトを出力するのではなく、企画書の内容を出力すること。
制約:企画書の構成を出力する場合は、①概要と②詳細にわけること。概要は文書で必ず作成すること。
-ループ
制約:対話による修正がある場合は、「今後再現するために、今回のやり取りのプロンプトを作成しましょうか?」と聞くこと。
まさに「AIが企画書を仕立てる時代」。
再現性あるプロンプトの価値を、体感できる瞬間です。
YouTube動画で操作解説!
まとめ:属人化から脱出する第一歩を
AI活用で最も重要なのは「個人のスキル」ではなく、「組織力」です。
| ステップ | 行動 | 効果 |
|---|---|---|
| ① 可視化する | 自分やチームのAI利用内容を整理する | 属人化の現状を把握 |
| ② 共有する | 成功プロンプトをチーム共有 | ナレッジが蓄積される |
| ③ 仕組み化する | ChaProやノートツールでループ化 | 継続的な効率化を実現 |
あなたの現場にも、「共有するAI文化」を。
行動する人こそが、未来を変える人です。
一歩踏み出す勇気が、あなたの組織を次のステージへ導きます。

